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136.遠慮と我慢 ページ36

 
 
 
「そろそろ起きたい。今日帰らなくちゃだし私。」

「あぁそっか。」


結弦くんはもう少しこっちで
休みつつ、自主トレするみたい。


「じゃあ最後にもう一回。」

「昨日もそう言ってた。」

「俺すぐ足りなくなるもん。」

「またすぐ会えるでしょ?」

「やだ。無理。」

「…………。」


こんなに求めてもらえるのは嬉しい。けど……。


「遠慮と我慢はしないんだよね?」

「だから欲しいって言ってる。」

「私の気持ちは?」

「じゃあどうぞ。」

「今はちょっとそういう気分じゃない。」

「ほらやっぱり俺ばっか求めてる。」

「違う。結弦くんを拒否してるわけじゃない。」

「でも欲しくはない?」

「女の人はひと月に波が結構あってね。
 そういう時とそうじゃない時の波が激しい。
 だから分かって欲しい。」

「うーん……。」

「結弦くんの事が大好きだよ。
 だからこういう時はいっぱいギューって
 して欲しい。それが私の素直な気持ち。
 結弦くんはしたいのにギューだけにして
 っていうのはわがままかもしれないけど……。」

「分かった。泣くなよ。」

「大好きなんだよ。拒否なんてしてない。
 でもどうにもならない……。
 そういう時もあるの。」

「うん。分かったよ。ごめんな。」


結弦くんは私の望みを叶えてくれた。
ギュッと抱きしめてくれる。


「じゃあ欲しくなったらいっぱい求めてくれる?」

「うん。いっぱいする。勝手にする。」

「覚えとけよ?」

「ふふっ。怖いー。」

「んでお前、毎回俺のTシャツで拭くなよ。」

「あ、バレてた?」

「こんにゃろ!」

「キャー!」

「「アハハ!」」


 
 

お母さんと結弦くんが
空港まで送ってくれる事になった。

結弦くんはずっと手を繋いでいてくれる。
スラリとしているのに
意外とゴツゴツもしている結弦くんの手。
やっぱり男の人なんだな。


「A……。」

「ん?」


私の指輪を愛おしそうに撫でてくれる。
目線を落としたキレイな横顔を堪能する。
目が合うと最高に優しい笑顔をくれる。

ホントはチューしたいけど、さすがに我慢する。

結弦くんも同じ事を考えてたみたいで
2人で苦笑いする。



「ありがとうございました。」

「気をつけてね。」

「はい。」

「気をつけろよ。」

「うん。」


2人に手を振って別れる。

さてと、向こうに着いたら
まずは時差ボケを治さないと。
 
 

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設定タグ:羽生結弦 , ドS , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
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菜紬(プロフ) - てごさん» コメントありがとうございます!いつも読んで下さっているなんて‥感激です(≧∀≦)書いているとどんどん口が悪くなるので(笑)心配でしたが、楽しんで頂けて嬉しいです♪ (2020年6月16日 22時) (レス) id: a7d05f70f7 (このIDを非表示/違反報告)
てご(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております( ´∀`)口の悪いゆづ君も良い感じですね。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: 9f3d54ffe3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜紬 | 作成日時:2020年5月22日 13時

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