120.見えない糸 ページ20
ピピピピピ。
「…………。」
「ふわぁ。おはよ。」
「…………。」
「おはよー。結弦くん。時間だよ。」
「…………。……ん。」
「起きてー。起きるよー。」
「んー……。もー朝ぁ?」
「布団でゲームなんかするからだよ。」
「あー……眠っ。」
「さぁ起きよっ。」
「あーい……。」
居間に降りると、もうお母さんが起きていた。
「おはよー。」
「おはようございまーす。」
ぷふっ。爽やか気取ってるし。
「おはよう。朝ご飯どうする?」
「私まだいらない。
駅で適当に買うから大丈夫だよ。
結弦くんも大丈夫でしょ?」
「うん。ありがとうございます。」
「あら、そう?」
「ありがとね。じゃあ準備しちゃうね。」
顔を洗って、歯を磨いて、朝の準備を済ませる。
するとお父さんも起きてくる。
「おはよー。ごめん、うるさかった?」
「いや、大丈夫だよ。起きるつもりだったから。
駅まで送って行くよ。」
「ホントに? ありがと。」
「ありがとうございます。」
車に荷物を載せて出発する。
お父さんとお母さんが送ってくれる。
「そういえばAの話はあまり
聞いてなかったけど、
生活とか仕事とか大丈夫そう?」
「うん。だいぶ落ち着いたよ。
日本食スーパーも近くにあるし。」
「そうなの。それなら良かった。
羽生さんもケガに気をつけて頑張ってね。」
「はい。頑張ります。」
「A。羽生さんをしっかり支えてあげてね。」
「はい。頑張ります。……あれ?」
「「ふふふっ。」」
駅に到着する。
「じゃあ気をつけてね。
これ、羽生さんのお宅に。」
「うん。ありがと。ちゃんと渡すね。」
「また遊びにいらしてね。」
「はい。ありがとうございます。」
荷物を下ろし、2人と別れる。
「A。ここからは
ちょっと離れるけどごめんな。」
「うん。大丈夫。」
呼び捨て……。
「じゃあちゃんとついて来いよ。」
「うん。」
結弦くんは時々振り返り
視界の隅で私の存在を確認してくれる。
2人だけの見えない糸があるような気がして、
なんだか嬉しかった。
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菜紬(プロフ) - てごさん» コメントありがとうございます!いつも読んで下さっているなんて‥感激です(≧∀≦)書いているとどんどん口が悪くなるので(笑)心配でしたが、楽しんで頂けて嬉しいです♪ (2020年6月16日 22時) (レス) id: a7d05f70f7 (このIDを非表示/違反報告)
てご(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております( ´∀`)口の悪いゆづ君も良い感じですね。 (2020年6月16日 21時) (レス) id: 9f3d54ffe3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜紬 | 作成日時:2020年5月22日 13時