テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ9)

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No.58 ページ9

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日曜日の朝、今までなら遅めに起きて、遅めの朝ごはんを食べて、家の掃除をしたり買い物に出掛けたりと好きなことをやっていた。

でも今日は違うのだ。

学校がある日と同じ時間に起きて、最近買ってみたワンピースを着て髪も少し巻いてみる。そして姿見の前で最終チェックを行った。

『早く準備しすぎた…』

今の時刻は朝の10時。約束の時間は昼の13時。

そう、約束というのは轟くんと私の家で期末テストに向けての勉強会をすること。

昼食を食べてから家に向かうと言っていたので、この持て余した時間を何に使えばいいのか困ってしまった。

『掃除ももう終わったし…動物番組でも見とこ』

そう思って録画しておいた動物番組をつけてみるも確かに癒されはするが、そわそわが落ち着かない。

そんなこんなで何とか三時間は過ぎ、インターホンのモニターの前でうろちょろしていると、ついにその時が来た。

『こ、こんにちは！轟くん！』

「あぁ、悪ぃな、休みの日に」

『全然！！じゃ、じゃあ中どうぞ？』

「おう」

何度か轟くんには家に入ってもらったことはあるけれど、好きだと自覚してからは初めての出来事。

カチコチに緊張した身体をロボットのように動かしてリビングへと案内をした。

『ジュース何がいい？オレンジとかリンゴとか…いちごオレもあるよ！あ、それともコーヒー？紅茶？』

「いちごオレで頼む」

『轟くん甘いの好きなの？私もいちごオレ好きだよ』

「あぁ、まぁな」

頬を若干赤くしながらも少し笑っている轟くんに、私も焦りすぎかと苦笑いを浮かべた。