テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ48)

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No.97 ページ48

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私と轟くんが付き合うようになって、数週間が経ち二学期もスタートした。その間だけでも本当にいろいろとあったりする。

『補習、頑張ってね』

「あぁ、他の奴らに追いつけるように頑張る」

『うん！あ、爆豪くんも頑張って』

「うっせぇ！！言われんでも分かっとるわ！ボケ！」

『あはは…』

どうやら轟くんと爆豪くんだけ、仮免試験に落ちてしまったらしく、今もこうして補習に行ってはボロボロになって帰ってくる。

でも寂しくなんてない。轟くんの頑張る姿を見れば私も頑張ろうって思えるし、電話もメールも空いてる時はしてくれるし、こうしてたまに会えるから。

「感宮、最近なんか調子いいな」

『えっ、そうかな？』

寮に戻ると、心操くんが話しかけてきた。聞いてみれば最近の私は以前より更に明るくなったというか"幸せ感"がダダ漏れらしい。

そんなことは初めてだから正直恥ずかしいのだけれど……。そこでふと、一つ疑問に感じる。

『心操くん、ちょっと手を貸してもらってもいい？』

「？…あぁ」

『……やっぱり！』

もしかしたら、この考えは正しいのかもしれない。高鳴る鼓動に落ち着かせながら、私は心操くんの両手をぎゅっと握った。

『私ね、轟くんと付き合うことになったの。多分それで調子いいのかも！』

「…そうか。そうだったんだな。…てか、個性大丈夫？」

『うん！解決法見つかったかもしれない！ありがとう、心操くん！』

やっと触れられた友達の温かさ。嬉しくて、A組の寮にもう一度行こうなんて思って、お礼を言って急いで来た道を戻る。

「……好き、だった。感宮」

まさか心操くんがそんなことを言っていただなんて知らなかったけれど、寮のドアを閉める直前、彼の顔を見ればとても穏やかな表情をしていたのだった。