テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ46)

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No.95 ページ46

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轟くんの微かな息遣いを肌に感じる。耳には、そこに心臓があるのではないかというくらいに、大きく脈打つのが聞こえる。

あと少し、というそんな時だった。ガサガサと草の揺れる音がして最初は風かなと思ったけれど、よく聞くと「押すなよ」「ちょ、やめろ」という慌ただしい声も聞こえてきた。

「「「うわぁ！」」」

そして大きな声と共に、少し離れた場所からたくさんの人が突然現れた。

『み、みんなっ！？』

「……。」

驚いて思わず何事もなかったかのように離れた私たちが目にした先には、A組のみんながいた。

まさか…と顔を青ざめる私に、代表として緑谷がみんなの前に立ち、「えっとぉ～これは…あはは」と苦笑い100%の表情を浮かべている。

『ば、ばか…！主犯はそのブドウ頭でしょ！？』

「な、なんでおいらだって言うんだよ！？」

『個性使わなくても、その顔でビンビンに伝わってくるから！』

「お、おいらは無実…！」

「諦めな、峰田。感宮には敵わねぇよ」

隣で首を横に振る上鳴に、呆れた目でしか見れない私。それよりもいつから見られていたのかと思うと、恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。

『…轟くんは気づいてたの？』

「いや、気配感じたのはついさっきだが…。別に見せときゃいいだろ」

『轟くんはハート強すぎる』

もうダメだこれ、と肩を落とす私に、轟くんはキョトンとした顔をして「これでわざわざ言う手間省けただろ。それにAに手出し出来ないように見せつけれた」と言う。

本当にこの人は天然で恐ろしいと思ったのだった。