テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ45)

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No.94 ページ45

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寮と学校以外に建物が少ないせいか、ここは星がよく見える。綺麗なその夜空は心を落ち着かせ、時が止まっているように感じるのだ。

そんな空の下、私は轟くんに好きと言ってもらえた。

流れ星に三回願い事を言えば叶うと言われるのと同じくらい、それは奇跡的なことで、受け入れるまでに時間がかかった。

でも変わらない現実。

そっと離れた身体を少し寂しく感じながら、轟くんの顔を見ると、耳が赤く染まっているように見えた。

『染まってる…』

そう無意識にこぼれた言葉と同時に、私はそっとその耳に触れた。それは小さくて柔らかくて、愛おしさが込み上げてくる。

「当たりめぇだろ……恥ずかしいからやめてくれ」

『そっか…轟くんも恥ずかしいとかあるんだ』

「人を何だと…」

『嬉しい』

嬉しい、と言うと轟くんは声を詰まらせた。

だから私は轟くんの小指を握って、顔色を伺うようにポツリポツリと言葉を紡いでいく。

『私も、その約束したい』

「A…」

『だから、私も精一杯轟くんを守る。応援する。

……今までもこれからも、ずっと大好き』

自然と現れた笑顔に、轟くんもつられて笑顔を見せる。そして軽く彼の小指に唇を触れさせると、耳だけじゃなく頬まで染めて、私の後頭部を覆って自身の肩に吸い寄せた。

「ちょっとの間、見ないでくれ」なんて言うけれど、そんなこと言われたら余計に見たくなるでしょ？

だから無理矢理離れると、轟くんは顔を背けたけれどまた私の顔を見て、髪をそっと優しく撫でる。

そしてそのまま近づいてくる整った綺麗な顔立ちに、私も少しずつ瞼を閉じていった。