テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ41)

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No.90 ページ41

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「一言では難しいけど、一生懸命に生きてる奴…かな。

どんだけ理不尽な世界でも頑張って前を向いて、そりゃ泣きたい時もあるだろうけど嬉しい時はちゃんと笑う、みたいな」

『へ、へぇ。なんか轟くんのくせに具体的だね』

「くせにとは何だ」

『別にー？』

「そういうAは……心操のこと、どう思ってんだ」

本当に、"轟くんのくせに"だ。そういうことは私と同じくらい疎そうに見えたけれど、実はしっかり考えていて、もしかしてその人に気があるのではないかと心がズシリと重くなる。

思わず溜め息を吐きそうになったけれど、そんな間を与えることもなく、心操くんのことを尋ねてきた。

『え？心操くんか…図々しいし私だけかもだけど、友達だったら嬉しいなぁって思う』

「それは…好きってことか？」

『え？いや、なんか違うけど…。そんなこと考えたことないよ。だって話したのも数回だけだし、個性似てるなーくらいで。親近感、みたいな』

私が心操くんを？本人には申し訳ないが有り得ないと思う。というよりも心操くんも、私のことは有り得ないだろう。

そういえば轟くんは前も、私が心操くんの話をすると眉間に皺を寄せた。一体何があるんだろう。男の因縁とかそういうものなのか。

もうこれ以上、モヤモヤを抱え込みたくなくて私は思い切って聞いてみることにした。

『ねぇ、ずっと気になってたけど、なんでそんなに心操くんを気にかけるの？何かあった？』

その途端、轟くんの顔を照らしていた花火がプツリと消えた。