テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ34)

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No.83 ページ34

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あれから数日後、雄英から"全寮制について"と書かれた手紙が届いた。どうやらあの事件…轟くんたちヒーロー科が被害に遭ったこともあり、学校側はそういう対策を取るようだ。

『別に一人暮らしだし大丈夫だけど…親、どうしよ』

全寮制ですね、はい分かりました…で済むわけもなく、それに伴い家庭訪問も近々行われるようで。

あのパーティーの日以来、全く連絡を取っていない。というよりも、それが普通だった為、今更特に何も思わないがこういう学校絡みの時は面倒なのだ。

今までは仕事だ何だと言って誤魔化し……それ以前に不登校だったからあまり関係なかったのだけれども。

やはり学校に行くといつかは向き合わないといけないものだと痛感する。

『轟くんも前に進んでるんだから、私もちゃんとしないとな』

以前の私なら絶対に思わなかったこと。だって親と向き合おうなんて考えただけでもゾッとするし、何が何でもと避けていたのだから。

それに比べて今の私は何とかしようとしている。影響とは恐ろしいものだ。

『……今まで放ってたんだし、拒否する理由もないよね、うん』

そう私は自分に言い聞かせ、全く使わない携帯を起動させる。電話を掛ける相手はただ一人。ちゃんと自分の思いを伝えなければ。

『もしもし、お父様。今よろしいですか？』

……そうして夏休みも終わりに近づいたその日。

目の前の巨大な寮に、どれだけのお金が動いたのだろうかと顔を引きつらせたのは言うまでもない。