テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ28)

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No.77 ページ28

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「感宮？」

『心操くん…』

心操くんに会うのは終業式以来で、久々というのもあってか不思議な感覚である。何故、こんなところにと疑問に思っていると、心操くんは私の手元をじっと見つめてきた。

「なんで猫じゃらしなんか持ってるんだ」

『あ、あぁ。ここに猫の友達がいるの。でも今日は暑いから涼しいとこに行ってるみたいで』

「猫いるのか」

『もしかして猫好き？』

「…まぁな」

『っ！可愛いよね、猫！』

思わず食いついてしまい、最初の頃の自分とは大違いだと実感する。何故なら入学初日の日、猫と遊んでいる私に轟くんが突然話しかけてきて逃げてしまったのだから。

驚く心操くんに謝って今度はベンチに腰をかけると心操くんも隣に座る。

そしてシロとコハクのことを話していると、心操くんは相槌をうちながら聞いてくれた。

『ほんと可愛いの、あの二匹』

「ほんとに好きなんだな。…にしても何かあったのか？」

『え？』

「ここ、引きつってる」

そう言って自身の口元を指す心操くん。そうかな、と私も口元に触れてみるけどよく分からなかった。

『実はね、ヒーロー科が今大変なことになってて』

「あぁ、ニュースでしてるやつだろ？」

『うん。轟くんたちも必死に戦ってる。でも、私は無事を祈るしかなくて、せめてニュースだけでもって思うんだけど…。

個性が暴走しそうだし、轟くんにも一人で見るなって言われてるから何も出来なくて』

苦しいんだ、と言うと心操くんは空を見ながらポツリと呟いた。