テレパシー少女は夢をみる2【轟焦凍】 (ページ17)

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No.66 ページ17

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帰り道の公園で私と轟くんは、シロとガールフレンドの黒猫コハクに猫じゃらしで遊んでいた。

ちなみにコハクという名前は、瞳の色が琥珀色だったことからだ。

轟くんに何が良い？好きなものでいいよ、と言ったら「そば」と言われて即却下したのは記憶に新しい。

「なぁ、A」

『な、なに？』

「俺、なんかしたか？嫌なことがあるんなら言ってほしい」

『えぇっ、なんで？』

衝撃発言に驚いていると、猫じゃらしで遊んでいたシロとコハクも不思議そうに私たちを見上げる。

轟くんはどうやら、最近私が素っ気ないことや緑谷たちとばかり仲良くなっていることに複雑な思いを抱いていたそうだ。それって……

『ヤキモチ、ってやつですか？』

「っ！…いや、なんつーか…」

何故か敬語になりながらも聞いてみれば、轟くんは口籠もって戸惑いを見せる。そんな姿に私まで伝染してしまって、お互いがお互いを見れなくなった。

『別に、嫌いとかじゃないよ。ていうか嫌うなんてあり得ないし…』

「お、おう」

『逆に轟くんこそ私のこと嫌ってない？』

「んなわけねぇだろっ…あ」

『ふふっ、もう何これ？』

一体私たちは何を言い合っているのだろう。よく分からないやり取りに笑い合っていると、轟くんは約束の夏祭りのことを話し出した。

「当日、Aの家まで迎えに行く。5時くらいにインターホン鳴らすから」

『うん、分かった。楽しみにしてるね』

それならば私は、その日までにもっと個性を制御出来るようにしないといけない。今みたいに"何故か制御出来てる"じゃなくて、"自分の意思で制御出来る"ようになる為に。