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No.51 ページ2

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息を少し切らして私たちの前で立ち止まった八百万。何事かと思えば私に顔を近づけて心配そうな表情で聞いてきた。





「あ、あの!あの日の夜、大丈夫でしたか!?

あの時聞ければ良かったんですけど、感宮さん早々に帰られたので心配で心配で…」



『あ、あぁ。うん、大丈夫』





圧倒されながらも頷ければ、大きく息を吐いて安堵の笑みを浮かべる八百万。急にどうしたんだろうか、いやそれほどあの時の私が切羽詰まった顔をしていたのかな。






『…ごめん、心配かけた』


「…え、えぇ!?」


『何よ』


「い、いえ。突然の言葉に驚いてしまって…」


『わ、私だって謝るし』






事実、厄介なことに巻き込んでしまったのは事実なのだ。いくら八百万のことが苦手でも悪いと思ったら非は認める。


ムスッとしていると、隣にいた轟くんは何を思ったのか先に教室に行くと去ってしまった。寂しくて呼び止めようとするも、八百万の前では恥ずかしくて伸ばした手が空を切るだけ。





すると八百万は突然、私に頭を下げて来たのだ。




「感宮さん、ごめんなさい!!」


『え!?ちょ、頭上げてよ…』


「いいえ、何度だって下げますわ。だって、それくらい私、あなたに酷いことをしたんですもの」





その言葉に、幼き頃の出来事を思い出す。

友達だったはずの八百万が、私のいないところで私の陰口を言っていたこと。いくら期間的に時効だとしても古傷は疼く。





「あの時の私は、嫌われることが怖くて感宮さんを助けることが出来ませんでした。本当に情けないですわ」


『ううん、怖かったよね、私のことも。仕方ないよ』


「え?そんなこと…」


『あの時の噂…私が他人の心の中見るとかってやつ。あれ、本当なの』





そう言った時の八百万の顔は、上手く状況を読み込めていないようだった。

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作者名:空涼 | 作成日時:2019年7月12日 14時

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