92 キズ ページ42
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『しょーとくん？』
「あのなぁ、着替えるなら先に…」
『え、どうしたの？』
「……」
ブラウスを脱ぎながら振り向けば
しょーとくんは目を逸らしていて、
どうしたんだろうって首を傾げる。
まぁ、早くしないと。
そう思って、続きをしようと思えば
A、それ…という声が耳に入った。
「その傷……どうしたん、だ？」
『…あっ』
すっかり忘れちゃってた。
背中の右側にある大きな傷跡…あの事件の時につけられたのを。
あはは、って苦笑いをしながら
思わず目を逸らしてしまう。
すると、しょーとくんはゆっくり近づいて
傷の上から指をツーッと撫でられ、身体が跳ねてしまう。
『ひゃっ、しょーと、くん…？』
「痛かったよな…」
そう言って、後ろから包み込むように抱きしめられて
驚きのあまり何も言えなかった。
耳元に聞こえる声の低さに、慣れないせいか変な気持ちになる。
身体、暑いな…。
「ごめん、守ってやれなくて…」
なぜか、しょーとくんの様子がおかしい気がするのは
気のせいなのかな。
どこかに消えちゃいそうなくらい、
いつも安心する腕が心細い感じがした。
『さっき言ってた大切な人ってね…
お父さんとお母さんなの』
「…そうだったのか」
『お父さんとお母さんね…殺されちゃったの。
その時に私も、背中の傷が出来た』
小さく言うと、しょーとくんが息を呑むのが分かった。
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空涼(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！！ (2018年6月25日 17時) (
レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続きがすごく気になります！更新楽しみにしています (2018年6月25日 6時) (レス) id: b4c0f88219 (このIDを非表示/違反報告)
空涼(プロフ) - 擧舉彌さん» 嬉しいですー！ありがとうございます！お楽しみに！ (2018年6月21日 22時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
擧舉彌(プロフ) - この後はどうなるんですかー！続きを読むのが楽しみー！です！ (2018年6月21日 19時) (レス) id: 50deb4f2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空涼
| 作成日時：2018年6月6日 8時
