90 花と雨 ページ40
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「おい、これでいいんか」
『うん、それにする！早くお父さんとお母さんに届けないと！』
放課後、かっちゃんと一緒に花屋さんに行っていた。
毎年恒例のお花選びだ。
二人にはお墓がないから、生涯を遂げたあの場所に
花を供えている。
今回は白と赤の花を買って
二人に今年は良いことたくさんあったよって伝えようとしていたのだけど
隣にいたかっちゃんが、半分野郎かよって
ご機嫌斜めになっていたり。
ライバルだからこそ、つっかかるのかなぁ。
小さいな、なんてちょっと笑っちゃった。
『お父さん、お母さん。元気にしてる？』
「……」
手を合わせて、そっと目を閉じた。
すると、後ろにいたはずのかっちゃんが
隣に来る気配が分かって、チラリと盗み見れば
私と同じように手を合わせていた。
「もう、行くぞ」
『…ごめん、先に帰ってて』
「そう言うと思った。…1時間後、迎えに来る」
『ありがと、かっちゃん』
かっちゃんが帰っていくのを確認して
私はその場に座り込んだ。
あの日からどれくらい経ったんだろう。
もう大丈夫かな、なんて思っても
やっぱりまだ苦しいや。
気づけば、空から降り注ぐ大粒の雨。
傘、忘れてきた…。
はぁ、とひとつため息をついて
顔を膝に埋めていると、突然雨が止んだ。
「風邪引くぞ」
『…しょーとくん？』
振り返れば、傘を差し出すしょーとくんがいた。
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空涼(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！！ (2018年6月25日 17時) (
レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続きがすごく気になります！更新楽しみにしています (2018年6月25日 6時) (レス) id: b4c0f88219 (このIDを非表示/違反報告)
空涼(プロフ) - 擧舉彌さん» 嬉しいですー！ありがとうございます！お楽しみに！ (2018年6月21日 22時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
擧舉彌(プロフ) - この後はどうなるんですかー！続きを読むのが楽しみー！です！ (2018年6月21日 19時) (レス) id: 50deb4f2e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空涼
| 作成日時：2018年6月6日 8時
