テレパシー少女は夢をみる【轟焦凍】 (ページ49)

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No.49 ページ49

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Aの家からの帰り道。

夜風に当たりながら頭を冷やした。

"俺、Aのこと…"

「何言おうとしてんだ、俺は…」

もし、携帯が鳴らずにあの言葉の続きを言っていたんだとすれば。Aは一体どんな顔を見せてくれたんだろうか。

それを知りたいという気持ちもあれば、まだ知らなくていいと安心する気持ちもある。

あの後、催促のメールにどうしようかと悩んでいると、Aは早く帰ってあげてと悲しそうな表情を浮かべながらも言ってくれた。

一人は慣れているから大丈夫と言うAに、それが大丈夫じゃねぇんだと思いつつ、念の為に熱を測ればだいぶ下がっていて。

この調子なら明日は学校に来れるだろうと渋々家を出ることにしたのだ。

「また明日、か…」

その挨拶を交わすと、Aは幸せそうに笑っていた。

どうやらあの不思議な体験…恐らくAの個性の影響で彼女の夢の中に入ったんだろうが、あれは無駄ではなかったらしい。

自然と口角が上がりつつ、空を見上げれば綺麗な星が夜空に浮かんでいた。

この綺麗な景色をAに見せてやろうかと携帯で写真を撮ってみるも、上手く写らなくて少し残念だ。

彼女もこの空を見ているだろうか。それとも夢の中でぐっすり眠っているのだろうか。

「…会いてぇな」

既にこんなことを考えてしまうだなんて、俺はどうかしちまってる。