テレパシー少女は夢をみる【轟焦凍】 (ページ47)

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No.47 ページ47

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感宮の笑った顔を見た途端、モノクロの世界はパズルのピースのようにバラバラと崩れ落ちていく。
そして、白い光に包まれると気づけば感宮の部屋に戻ってきていた。

「やっぱこんなに広い部屋で一人は、寂しいよな…」

『…と、どろきくん？』

「起きたか、感宮」

『その呼び方やめて、キライなの』

「え？」

先程までいた不思議な空間の感宮と全く同じセリフに、ドキリとする。すると感宮はイタズラが成功したかのように無表情を崩して、へらりとした。

『嘘。なんかね、夢みてたの。轟くんが出てきた』

「夢なんかじゃねぇよ」

『え？』

「A、さっきのはちゃんと俺の本心だ。ずっと、側にいる」

大きな瞳を見開くAは頬を真っ赤に染めて、口をパクパクとさせる。…なんか鯉みてぇと思ったのは秘密だ。

『え、じゃあ、轟くんは私の過去を視て、私は轟くんの過去を視て……夢じゃない？』

「あぁ、そうだ。辛かったな、今まで」

今まで触れられなかったAの頭。だけどもう視られて困るものなんざ、何もねぇ。ゆっくりと撫でてやれば強張ってたAの身体も少しずつ弱まってきた。

『小さい頃の轟くん、可愛いね』

「そうか？俺はAの方が可愛いと思うが」

『んもう、すぐそんなこと言う！』

この時、やっと幼い頃の俺とAが苦しみから解放されて心の底から笑えたような気がする。