テレパシー少女は夢をみる【轟焦凍】 (ページ13)

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No.13 ページ13

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「えっと、何というか！ある日突然個性が出て…！だけど力が大きすぎて、身体がついていかなくて！！

ヒーローになれるか悩んでた時に、恩人に背中を押してもらったんだよね！！」

『…ふーん』

あまりの必死さに逆に不信感を抱くが、でも私にはもう関係なくなった。というよりも、緑谷に私の個性のことを聞かれそうになって何も言えなくなったのだ。

「君の個性って…」

「感宮、そんなとこで何してんだ。てっきり教室に……緑谷」

「あ、轟くん…だったよね」

しかしこの時ばかりは、轟くんの不意打ちの登場に感謝した。これで個性の話は終わりで良いだろう。

「感宮、こいつと知り合いだったのか」

『…知りません、知り合う気もありません』

もちろん、あなたとも。

そう轟くんに冷たく伝えれば、彼は何も言わずにじっと私を見つめてきた。

今までコソコソと見られるのには慣れていたが、初めて真正面からガン見されるものだから、気まずくて目を逸らす。

『それじゃあ、さよなら』

「あ、体調は大丈夫っ？」

『……。』

「む、無視…された？」

口元をひきつらせる緑谷を横目に、イヤホンを耳に入れて再び音楽を聞き始める。

だから何度も言うけれど、私は人と関わるのは一切ごめんだ。…まぁそれを口にしていないから伝わらないのも無理はない。でも雰囲気で察してほしい。

…あぁ、ヒーローなんて大っ嫌いだ。