158時間目 ページ8
.
「別にいーし!どうでもいいもん」
照れ隠しなのか意地を張ってしまうみたいで。
私は気にも止めずに、少女の手を引っ張って立たせた。
『こういう時は人に頼るものなんだよ?
どーんと甘えちゃいなさい!』
「頼りなさそう…」
ボソッと小声で言うものだから
ぐりぐりと頭を撫で回してやった。
「ちょ、髪ぐしゃぐしゃになるじゃん!」
『で、来た道教えてくれる?』
無視…?と戸惑いながらも
ぶっきら棒に教えてくれて、二人でゆっくりと歩いた。
『君、名前は?』
「人に聞く時はまず自分から名乗るもんでしょ?あんたが名乗りなさいよ」
…なかなか尖ってらっしゃる子だな。
『若原A。Aお姉さんって呼んでね』
年下にこう呼ばれてみたかったんだよねぇ。
「Aね。あたしはさくらよ」
『あはは…』
お姉さんは無視ね、仕返しかな…!
さくらは、わかばパークに通っているらしい。
そこまでの道を探したものの結局見つからず、そのわかばパークに着いてしまった。
「いーよ、もう。帰ろ…って、A?」
止めるさくらの声も聞かずに
私は建物内に入った。
「あら、あなたは…?」
『こんにちは!』
職員の女の人が出てきて、後ろから来たさくらの存在にも気づく。
「あ、さくらちゃん!ハンカチ忘れてたわよ」
「えっ…ほんと?」
職員の人のポケットから出た水色のハンカチ。
やっぱりね。道端に無ければ誰かに拾われたか、そもそも元いた場所に忘れたかの二択だもんね。
『良かったね、さくら』
「…ありがとな、A」
もう、可愛い顔するなぁ。
そう思って、今度は優しく頭を撫でるのであった。
200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「赤羽業」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りるる - 続ける気が無いなら作んないでくれる? (2022年9月1日 21時) (レス) @page47 id: bfd3ef8afe (このIDを非表示/違反報告)
無理ゲーはパス - 楽しみにしてます! (2017年7月1日 17時) (レス) id: f75776f7ba (このIDを非表示/違反報告)
無理ゲーはパス - 何回も読みました やっぱりすごいです! (2017年6月25日 21時) (レス) id: f75776f7ba (このIDを非表示/違反報告)
空涼(プロフ) - 無理ゲーはパスさん» どうもありがとうございます!! (2017年6月24日 7時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
無理ゲーはパス - 続き楽しみにしてます (2017年6月23日 20時) (レス) id: f75776f7ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空涼 | 作成日時:2017年5月5日 9時