検索窓
今日:15 hit、昨日:17 hit、合計:50,714 hit

188時間目 ページ38

.



「幼馴染じゃなかったら今と同じこと言える?」


『そんな無茶な…』




急に言われても分からない。


だって、カルマが隣にいることが当たり前だったもん。




「Aちゃんは自分の気持ちに気づいてるはずでしょ?

いつまでも幼馴染に逃げてちゃダメだよっ。

ちゃんと向き合いなさい!」



こればかりは他人が口出しするものじゃない、と


優しい笑みを浮かべて言うカエデちゃん。




それと同時にチャイムが鳴り響いて、


二人は私にエールを送って教室に戻って行った。




改めて一人になった保健室で


私はずっと頭の中で考えた。



将来のことと…カルマのこと。




そんな時ふと思い出した


死神に勝った日の夜の出来事。




あの後、なんで私が催眠術にかかったフリを


しているのに気づいたのか聞いてみれば




「昔、約束したのを思い出したからだよ。


Aのこと俺が信じないと、誰が信じるの?」




当たり前のように言うカルマ。


その表情がとてもかっこよくて、


今思い出しただけでも顔が熱くなってくる。




…昔の約束、覚えててくれてたんだ。


お互い信じようって。



それだけでも嬉しくて嬉しくて


心があったかくなるのは、カルマだからなのかな。




もし、私たちが幼馴染じゃなくて


ただのクラスメイトなら、あまり関わらなかったかもしれない。



仮にそうだとして、こういう気持ちになったのなら


やっぱりそれは、私がカルマのことを


恋愛感情として見ているからなのだろうか。




『カエデちゃんの言う通りだよ…』




"好き"っていう感情に気づくと、何かが壊れちゃいそうな気がして


本当は、怖かったのかもしれない。



それならずっと幼馴染のままでいいって。




でも、自分の気持ちに嘘を貫き通すのは


限界があるみたい。



カルマのこと、好きなんだなぁ。

189時間目→←187時間目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
200人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りるる - 続ける気が無いなら作んないでくれる? (2022年9月1日 21時) (レス) @page47 id: bfd3ef8afe (このIDを非表示/違反報告)
無理ゲーはパス - 楽しみにしてます! (2017年7月1日 17時) (レス) id: f75776f7ba (このIDを非表示/違反報告)
無理ゲーはパス - 何回も読みました やっぱりすごいです! (2017年6月25日 21時) (レス) id: f75776f7ba (このIDを非表示/違反報告)
空涼(プロフ) - 無理ゲーはパスさん» どうもありがとうございます!! (2017年6月24日 7時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
無理ゲーはパス - 続き楽しみにしてます (2017年6月23日 20時) (レス) id: f75776f7ba (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空涼 | 作成日時:2017年5月5日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。