シークレット・タイム Kento.N【2nd】

Truth 43 ページ43

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風「…悔いは、残らなかったか？」



あ「うん。ありがとね、風磨くん」




あれから私は、健人と会って


真実を全て話した。



健人、あなたはやっぱり優しい。

こんな私を受け止めてくれて、どれだけ救われたことか。



ちゃんとお別れをすることも出来て


もう心残りはない。




風「にしても、強制送還まで居座るとは」


あ「調査報告。」


風「は？」


あ「例え別世界の恋人だとしても、愛することは出来る。


…ごめんね、すぐに戻れなくて」



風「ふっ、報告どうも」



口元を上げて笑った風磨くんは

背を向けて、帰るぞーと声をかけた。



私はその背中についていき、


また車で我が家に戻る。




あ「ただいま」


聡「おばあちゃん…おかえり！」



ギュッと抱きしめてくれる聡くんの頭を


ゆっくり撫でる。



私には、健人がくれた大切な思い出がある。


そして、健人が残してくれた


娘や孫がいる。




それだけで十分。


私はもう大丈夫だよ。




空に浮かぶ朝日を見つめた。


別世界の私は、これからどんな未来を過ごすのだろう。


あなたの大事な時期を取ってしまってごめんなさい。




聡「向こうの世界のおばあちゃんね、

おばあちゃんのこと、すごい人って言ってたよ。

あ、あとおじいちゃんのことたくさん聞いてた！」



あ「そっか、じゃあ向こうの世界でも

おじいちゃんとおばあちゃんは仲良しだね」





でもどうか、健人といつまでも仲良く


日々を大切に、生きてください。



人を愛するということは


とても素晴らしいことなのだから。





______________________《ｆｉｎ》

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