シークレット・タイム Kento.N【2nd】

Truth 21 ページ21

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痣も綺麗になくなって


健人くんとも普通に話せるようになって


いつも通りの日常が戻ったかと思えば


時が過ぎるのは早くて、卒業式の日になってしまった。



そんな中健人くんとの進展は…特になくて。



ただ好きって気持ちを隠すのに必死だった。




卒業式が終わって、友達と写真を撮ったり


泣きじゃくる子と抱きしめあったり


また必ず会おうね、と約束を交わして。




ふと、視線を他所へ向ければ


すぐ入ってくるのは健人くんの姿。



女の子から第二ボタンを迫られていて


あたふたしている彼に、胸がチクリと痛む。




このまま、最後まで喋れないのかな…。



いくら大学が一緒とは言え、


余裕を持っててもいいのだろうか。




んー、と考え込んでいると


風磨くんが健人くんの周りの女の子を追い払って

健人くんに耳打ちをしていた。




どうしたんだろ？と首を傾げていると


顔を赤く染めた健人くんがこちらへ向かってくる。



健「Aちゃん…！」



あ「え、健人くん？どうしたの？」




まさか私だったとは。


…って、私が健人くん見てるのバレてた！？


めっちゃ風磨くんニヤニヤしてるんですけど！




健「終わったら、いつもの場所…いかない？」


あ「へっ、あ、はい…！」




まさかのお誘い。


勢いで承諾すると、バシッと背中を叩かれた。




「終わったら、じゃなくて今すぐにどーぞ！」


あ「ちょ、ちょっと！？」




振り返れば、こちらもまたニヤニヤしている


友達数名。




健「あ、ありがとう！」



「きゃー！イケメンにありがとうだって！」


「A！後で事情聴取だからね！」



あ「みんな！恥ずかしいって…」



茶化しを何とか振り払って


健人くんと一緒に音楽室に向かうのであった。

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