Truth 01 ページ1
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健「今まで、ありがとう…」
あ「ううん、こちらこそ」
ある秋の日、最愛の旦那が目の前で亡くなった。
寿命というものだから仕方ない。
結構長く生きたし、良い人生を送れたと思う。
布団の中で穏やかに眠る彼の手を握りながら
我慢していた涙が溢れ出て来て
彼の頬を濡らしていく。
あ「健人…!」
長く口にしていなかった彼の名前。
若い頃は、おじいちゃんおばあちゃんになっても
名前で呼び合いたいって思ってたのに、
子供や孫のことを考えて、"あなた"と呼ぶようになってしまった。
こんなことなら、他の目なんて気にせずに
名前を呼んであげれば良かった。
なんて、意味もない後悔をする。
でも、ここまで一緒に生きることが出来たのも
全ての始まりは高校三年生の寒い冬の日の出来事だった。
その時の私は、明るくて友達にたくさん囲まれていた。
大学だって推薦で決まっていたし、
かといって、高校の勉強も怠っていなかった。
充実したある日、日直で帰るのが遅くなっていて。
早く帰って、小説でも読もうかなって考えていたその時
どこからか綺麗なメロディーが耳を通り抜けたんだ。
あ「音楽室…?」
誰が弾いているんだろうと好奇心が高まり
帰る方向と反対方向に身体を向ける。
そして、そっとドアから除けば
予想外の人がピアノを弾いていた。
確かあの人は…
…中島健人くん、だっけ。
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空涼(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです(´;ω;`) (2017年10月9日 22時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
空涼(プロフ) - ?神谷アリス?さん» 良かったです!ありがとうございます!! (2017年10月9日 22時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 完結おめでとうございます。お話の世界観が好きでとても面白かったです!次の作品も楽しみに待ってます。 (2017年10月9日 22時) (レス) id: 60b6eaf521 (このIDを非表示/違反報告)
?神谷アリス?(プロフ) - とても面白かったです!ありがとうございます! (2017年10月9日 20時) (レス) id: 9b7870eb0f (このIDを非表示/違反報告)
空涼(プロフ) - あいさん» 嬉しすぎます…!!本当にありがとうございます♪ (2017年9月17日 20時) (レス) id: 82096225c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空涼 | 作成日時:2017年9月7日 11時