前夜(D.O) (ページ16)

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あれからギョンスと連絡先を交換して、映画友達になった。

私だけがギョンスに誉められるとドキドキして、頭のなかが混乱して。

私だけが頭の先から爪先まで彼のことでいっぱいだった。

私達の関係に進展があったのは知り合って半年。

大学の文化祭でのことだった。

CY「ギョンスー」

チャニョルがギョンスを探し回り、廊下で呼んでいる。私を見つけるとチャニョルはもちろん聞いてきた。

『みてないけど』

CY「そっかー。美術室の前ではぐれてさ」

『お化け屋敷だっけ、あそこ』

CY「そうそう。」

なんとなく。
美術室の前に通りかかる。

暗幕で囲まれた薄気味悪い美術室の周りには人だかりが出来ている。行列のなかにギョンスはいない。

??「ギョンス君～」

『ん？』

ギョンスを呼ぶ声がして、渡り廊下を覗くと。

知らない女子学生に、抱きつかれて満更でもないギョンスがいた。私は驚いて段差に足を引っ掛け、後ろに尻餅をついてしまう。

『いたたた…………』

CY「おいおい、どうしたよ」

『あ、チャニョル。ギョンス、いたよ』

見ないようにして、渡り廊下を指差して立ち上がる。私は埃を払って、颯爽とその場を立ち去った。

ダメじゃん、ああいう人がいるなら。
その気がなくても、私と映画館なんか行ったらダメだよ。

気づいたら、廊下でボロボロ泣いている。

『わかってるよ……魅力ないもん』