ミンソクさんの奥さん (ページ14)

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酒の力ページ14

酒に強いはずなのに、なんだか疲れもあって回りやすい。

沈黙のなかでもユナの鼻歌が聞こえる。まだ携帯を耳に当てながら、微かな声を聞く。

MS「ユナさ…」

『うん』

MS「好きな人とか…いるの？」

『………考え中かな』

MS「なにそれ笑あ、もしかして前にお見舞い来ていた人？」

『あー。あれ、弟』

MS「え？そうなの」

じゃあ喧嘩したり、妬いたりする必要もなかったってこと？ガックリうなだれる。

『ミンソクさんは？かっこいいから、彼女とかいるでしょ』

MS「……俺、かっこいい？」

『うん』

MS「……彼女いないよ。そんなに社交的じゃないんだよな」

『良い人なのに』

なんだかもどかしい。
酒の力か、口をついて出た。

MS「それ…やだな。」

『なにが？』

MS「良い人って…やだ」

さすがに電話越しでも、普段と違って駄々をこねる俺に驚いている