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「はい、」
作「・・・?」
目の前に置いたふたつの箱に彼が首を傾げる。
「誕生日プレゼント」
作「え・・・」
「開けていい?」と彼が目線を私に向けるから頷けば彼が「開けるね、」と口にしてからゆっくりとペールアイリスのリボンを解く。
作「ブレスレット?」
「うん」
作「お洒落だね」
「作ちゃんに似合うかなって」
作「・・・ウレシイ、」
それを持ち上げて「RYUTOって書いてある」って嬉しそうに頬を緩ませて・・・覗く小さな窪み。
「着けてみて」
そう口にして、「貸して」と私はその手からブレスレットを受け取ると作ちゃんの手首にそれを通した。
作「っ、」
「似合うね」
作「うん、気に入った・・・ありがとう」
良かった、と口にすれば彼はもう一つの箱に目を向けてからまた視線を私に返した。
「もう一つ、開けてみて」
作「うん」
作ちゃんの長い指先がまたリボンを丁寧に解くのを見つめて、ゆっくりと鼓動が加速する。
作「・・・?」
「・・・、」
ローズゴールドのそれを持ち上げた作ちゃんはさっき自分の名前が刻まれていた場所に私の名を見つけて「Aちゃん、これって・・・」と口にして私を見つめた。
一回頷いて、「うん」と答える。
作「ペア?」
「うん」
作「・・・待って、」
「ん?」
作「すごい、、嬉しい」
さっきよりも嬉しそうな笑顔に私も口角が上がる。
「作ちゃんが、ペアグラスくれたから・・・私もペアで返したくて」
作「・・・グラスとブレスレットじゃペアの重みが違う、」
「そうかな?グラスだって、一緒に使うためのペアでしょ。作ちゃんそう言ってたじゃん」
作「そうだけど、」
「同じだよ」
作ちゃんとお揃いが良かったの、と口にすれば彼が嬉しそうに腕を伸ばして私の指先を引き寄せて、手首を撫でる。
その感触にふわっと心が撫でられるような感覚になって、途端にくすぐったい気持ちになれば作ちゃんは「はい」と私の腕にそれを通した。
カチッ、とぶつかるお互いのブレスレット。
作「お揃いだ」
「ふふ」
作「嬉しい」
今まで見た中で一番の笑顔。
それを見て、「作ちゃん」と口にした。
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妄想女子(プロフ) - はじめまして、3年たった今でも待ってます! (7月26日 14時) (レス) @page31 id: a281949802 (このIDを非表示/違反報告)
Jam(プロフ) - はじめまして。こんなにも心揺さぶるお話に出会ったのは久しぶりで、すごく幸せです。ゆうぴー担ですが作ちゃんにキュンキュンしすぎてやばいです… (2020年12月14日 0時) (レス) id: 065f33fc65 (このIDを非表示/違反報告)
でん - 本当に素敵です、、読んでて引き込まれました。また、楽しみにしてます (2020年6月12日 1時) (レス) id: fd92cca3ea (このIDを非表示/違反報告)
satona(プロフ) - こんばんは、突然のコメントすみません。通知が来て泣きそうになりました。更新ありがとうございます、愛美さんの書かれる作ちゃんにまた会えて嬉しいです。次も楽しみに、のんびり待ってます (2020年5月6日 0時) (レス) id: df81ed5f0c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 素敵な作品に巡り合えた・・・・!という感動でいっぱいです!わたしのだいすきな彼が詰まっていてキュンキュンします・・・・!更新楽しみにしています。 (2019年11月10日 13時) (レス) id: 595ff179b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年11月25日 0時