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「あ、写真撮ってもいい?」
作「うん」
「はい、じゃ・・・こっち向いて?あ、ケーキもふーってして」
素直に私の指示に従ってくれる彼がソワソワしながらも恥ずかしそうにケーキを持ち上げる。
その姿を画面に収めながら、ときめく心をもうごまかせない。
「・・・可愛い」
作「えっ」
「ふふ」
私の言葉に照れる彼が、視線を抹茶ラテに移す。若干、耳が赤い。恥ずかしいんだな、と思って頬が緩む。
「食べよっか?」
作「うん」
「どうぞ」
作「わぁい♪」
普段よりも少し高い声。ケーキを口に運んで嬉しそうに綻ぶ顔。緩む、頬。
その姿だけですべてが満たされてしまいそう。
キラキラな目を私に向けて、もぐもぐ・・・って頬をいっぱいにケーキを頬張って、「Aちゃんも食べないの?」って首を傾げる。
「お腹いっぱいだよ」
作「え?」
・・・作ちゃんが、可愛くてお腹いっぱいだよ。
そんなことを心の中で呟く。
「ふふ、嘘。抹茶美味しいね、日本に戻ってきたって感じ」
作「たった一週間でその感想?(笑)」
「ずっとジャンク食べてたの(笑)」
作「うわぁ」
「最初の1、2日は良かったんだけど、3日目にはお味噌汁欲しくなったよ(笑)」
作「ふふ、そうなんだ」
作ちゃんは「いっぱい楽しかった?」と私に目を向ける。
「うん、素敵な出会いがいっぱいあったよ」
作「そっか、良かったね」
「作ちゃんアメリカ行ったことある?」
作「ハワイならあるよ」
「ハワイかー・・・行きたいなぁ」
作「俺も行きたい」
「ふふ、一緒に行く?」
作「えっ」
「冗談だって」
作「えっ」
さっきのビックリしたような「えっ」に対し、がっかりしたような「えっ」に思わず笑っちゃって、そんな私に「からかってる・・・」ってムッとした顔を向ける。
「ねぇ、作ちゃん」
作「・・・ん?」
ワントーン下がった私の落ち着いた声にムッとしていた彼の表情が変わる。
「空港で私が言ったこと、」
作「うん、」
「・・・本当、だからね」
作「・・・うん、」
作ちゃんはもぐもぐするのをやめて、ゆっくりと頷く。
私が真剣な話を始めると感じ取って、フォークを置いて私を真っ直ぐ見つめた。
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妄想女子(プロフ) - はじめまして、3年たった今でも待ってます! (7月26日 14時) (レス) @page31 id: a281949802 (このIDを非表示/違反報告)
Jam(プロフ) - はじめまして。こんなにも心揺さぶるお話に出会ったのは久しぶりで、すごく幸せです。ゆうぴー担ですが作ちゃんにキュンキュンしすぎてやばいです… (2020年12月14日 0時) (レス) id: 065f33fc65 (このIDを非表示/違反報告)
でん - 本当に素敵です、、読んでて引き込まれました。また、楽しみにしてます (2020年6月12日 1時) (レス) id: fd92cca3ea (このIDを非表示/違反報告)
satona(プロフ) - こんばんは、突然のコメントすみません。通知が来て泣きそうになりました。更新ありがとうございます、愛美さんの書かれる作ちゃんにまた会えて嬉しいです。次も楽しみに、のんびり待ってます (2020年5月6日 0時) (レス) id: df81ed5f0c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 素敵な作品に巡り合えた・・・・!という感動でいっぱいです!わたしのだいすきな彼が詰まっていてキュンキュンします・・・・!更新楽しみにしています。 (2019年11月10日 13時) (レス) id: 595ff179b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年11月25日 0時