□ (2020/12/12) ページ11
白に紫苑の花が散らばって、後ろでモダンなフワフワした帯が揺れる。
作ちゃんと花火を見るからって自分で一生懸命探した浴衣を着て、この日のためにわざわざ美容室を予約して髪の毛を少しだけ切ってもらって新しい自分になる。
新しい自分っていうのは少し大袈裟だけど・・・今日だけは、作ちゃんと並んで恥ずかしくないような自分で居たい。
前髪を横に流してピンを付けた美容師さんが「はい、完成です」と満足げに微笑んだ。
「とっても素敵です」
「あぁ、ありがとうございます(笑)」
「浴衣もよく似合ってますよ」
「良かったです」
「好きな人と行かれるんですか？」
「えっ、あぁ・・・まぁ(笑)」
困った笑顔の自分が、美容室の鏡に映る。
そんな自分が少しだけキラキラして見えるのはなぜだろう。
私が恋をしているからだろうか。
浮かれすぎているのだろうか。
とにかく、心がずっと踊っている。
あの夜、とてつもなく寂しくて自分の都合を押し付けて彼に会いに行った私を受け止めてくれた。
勝手で、どうしようもない。
自分は友達の姉だからとか、年上だから、とか・・・意味のないプライドばかりで、
この先のことを考えるのは避けていたけど。
作「Aちゃん」
「・・・作ちゃん」
作「待ってたよ」
笑顔を浮かべた彼のえくぼに胸がときめく。灰色の渋めの浴衣が高校生の彼にこんなに似合ってるなんて、と思いながら加速していく鼓動を誤魔化せない。
これは恋心で、私は間違いなく彼との時間を心地よく感じてしまっている。
「待たせてごめんね」と謝った私に首を振って彼は「・・・行こ、」と目を合わせてきた。
作「・・・あの、」
「あ、うん？」
作「その、」
お互いの間にある距離がもどかしくて、けどどこか心地よかった。
こんなに心が踊るなんて、こんな甘酸っぱい気持ちになるなんて、ちょっと自分らしくないな、と自嘲する。
ぎこちなく声を掛けられて私まで緊張してくるのを見せぬように顔を真っ直ぐ向けると彼は「人がたくさんいるから、」と自分の手を差し出した。
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妄想女子(プロフ) - はじめまして、３年たった今でも待ってます！ (7月26日 14時) (
レス) @page31 id: a281949802 (このIDを非表示/違反報告)
Jam(プロフ) - はじめまして。こんなにも心揺さぶるお話に出会ったのは久しぶりで、すごく幸せです。ゆうぴー担ですが作ちゃんにキュンキュンしすぎてやばいです… (2020年12月14日 0時) (レス) id: 065f33fc65 (このIDを非表示/違反報告)
でん - 本当に素敵です、、読んでて引き込まれました。また、楽しみにしてます (2020年6月12日 1時) (レス) id: fd92cca3ea (このIDを非表示/違反報告)
satona(プロフ) - こんばんは、突然のコメントすみません。通知が来て泣きそうになりました。更新ありがとうございます、愛美さんの書かれる作ちゃんにまた会えて嬉しいです。次も楽しみに、のんびり待ってます (2020年5月6日 0時) (レス) id: df81ed5f0c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 素敵な作品に巡り合えた････！という感動でいっぱいです！わたしのだいすきな彼が詰まっていてキュンキュンします････！更新楽しみにしています。 (2019年11月10日 13時) (レス) id: 595ff179b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年11月25日 0時
