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彼と来た場所は、公園。
いつか幼い頃、一緒に来た場所だ。
優「キャッチボールしよ」
「え?」
吃驚する私を横目に、ノールックでグローブを投げつけてくると彼はボールを手にして私と距離をとった。
「・・・優斗」
優斗が、またグローブを手にしてるなんて。
私が小さく呟いた彼の名前を聞き取って、優しく微笑む。
視線の先の優斗は、あの日の優斗とは・・・違う。
優「俺、また野球始めたんだ」
「・・・そっか。」
およそ1年前、甲子園に行けなくて泣きじゃくってた優斗は「もう野球やらない」というほど落ち込んでいて私の腕の中で1時間以上泣いていた。野球をしている優斗は昔から輝いていて、野球が本当に好きで。雄登と二人で同じ野球チームに所属してた小学生の頃からずっと見てきたわけだから、なんだか嬉しかった。
「よかったね」
優「うん、Aに教えたかった」
「うん、そっか。ありがとう。」
その手にグローブをはめている優斗の姿が懐かしい。
優「投げるよ」
「うん」
いつかぶりのキャッチボールは、センチメンタルな雰囲気を醸し出していた。
夕日に混じる夜の空。
薄く明かりを零す街灯。
優斗のキラキラした目がボールを追いかける。
パン!と音を立ててキャッチした優斗の投げたボールは、なんだか重みがあった。
それを投げ返すと、彼は口角を上げてそれを捕まえに行く。
またパン!と音を立てて私の元に来たボールと共に今度は「ごめん!!」って優斗の大きな声が聞こえた。
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妄想女子(プロフ) - はじめまして、3年たった今でも待ってます! (7月26日 14時) (レス) @page31 id: a281949802 (このIDを非表示/違反報告)
Jam(プロフ) - はじめまして。こんなにも心揺さぶるお話に出会ったのは久しぶりで、すごく幸せです。ゆうぴー担ですが作ちゃんにキュンキュンしすぎてやばいです… (2020年12月14日 0時) (レス) id: 065f33fc65 (このIDを非表示/違反報告)
でん - 本当に素敵です、、読んでて引き込まれました。また、楽しみにしてます (2020年6月12日 1時) (レス) id: fd92cca3ea (このIDを非表示/違反報告)
satona(プロフ) - こんばんは、突然のコメントすみません。通知が来て泣きそうになりました。更新ありがとうございます、愛美さんの書かれる作ちゃんにまた会えて嬉しいです。次も楽しみに、のんびり待ってます (2020年5月6日 0時) (レス) id: df81ed5f0c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 素敵な作品に巡り合えた・・・・!という感動でいっぱいです!わたしのだいすきな彼が詰まっていてキュンキュンします・・・・!更新楽しみにしています。 (2019年11月10日 13時) (レス) id: 595ff179b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛美 | 作成日時:2018年11月25日 0時