■ ページ47
「・・・、」
作「まあ、楽しみにしてます」
「あ、うん」
作「ん」
暗くなってきたしそろそろ帰ろうか？って私の背中に優しく触れて作ちゃんは「送るね」って言ってきた。
この子って本当に高校一年生なのかな・・・。
少なくもとも私が高校一年生に出会った同級生の誰よりも、今の作ちゃんのがずーっと大人で丁寧で紳士だ。
私服はシンプルで大人っぽいし、余計に高校生に見えない。
今隣り合って歩いてる私たちは、釣り合ってるように見えるのだろうか。
流石に年下に送らせるのも気が引けたので、少し強引に彼を改札口に向かわせた。
作「送るって言ったのに」
「ふふ、高校生に送らせるわけには行かないの」
作「・・・」
ムッとした表情で私を見下ろす彼を笑い「またね？」って手を振ると彼は口を尖らせて「そーやって子供扱いするんだから」って目を逸らした。
さっきまで大人だったのに、途端に「帰りたくない」と駄々を捏ねる子供のようになってしまう姿を見るとやっぱり可愛くて、愛おしくなる。
「作ちゃんが高校生じゃなくなったらいいよ」
作「・・・あと、3年」
「ふふ、そうだね」
私がそう笑うと彼は「あっ、でも」って声を上げて首を傾げた。
作「それって3年後も一緒に居るってこと？」
「えっ、」
そんなつもりじゃなかったけど、作ちゃんは「そうなの？」って目を輝かせる。
「えーっと、」
作「そうなったら、いいなぁ」
ふはっと含み笑いを零した彼は、私の表情を見て「なにそれ(笑)」って口にすると「分かった、今日は帰る」って大人しくなると、私を真っ直ぐ見つめて手を伸ばしてきた。
作「じゃーね、お姉さん」
「っ！？」
優しく撫でられた頭の感触と、私を見下ろす優しい瞳と、頬に出来た可愛い窪み。
その瞬間、時間が止まったんではないかと思った。
見開く私に構わず口角を上げて、背を向ける。
加速したままの鼓動が、治る気配を知らない。
「・・・っ、」
ずるい。
狡いって。
だから、「あんまり年上で遊んじゃダメだよ」って言ったのに。
「作ちゃんのバカ、」
颯爽と人混みを掻き分けて消えていく背中に向かって小さく、そう零した。
年下って、何するかわからない。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです！！ (2021年10月10日 20時) (
レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、？笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます！らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです！楽しみにしています！！ (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜！作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん（笑）なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました！！おひさしぶりです、！はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年8月17日 0時
