■ ページ38
作「・・・Aちゃん、おめでとう」
「え、あ・・・ありがとう、」
作ちゃんはニコッと笑うと目を逸らして、口をきゅっと上げた。
作ちゃんがそういうと瑞稀くんと涼くんも「おめでとうございます」って口にしてくれてなんだか照れくさくて。
作ちゃんは私を見つめて目を細めると、瑞稀くんを見つめて「ねえ、あっちの乗るんでしょ？」と確認をとって３人は私たちに挨拶してその場を離れた。
「・・・、」
小さくなる作ちゃんの背中。
なんだかあっけなくて、少しだけ胸がチクッとした。
ーあいつはオトウトなの？
「違うもん・・・」
廉「ん？なんか言った？」
「ううん」
怜「あ、順番きた！」
はぁ・・・とため息を吐いた。
ああ、ダメっぽいな私。
次会ったら、どうしよう。
・
・
・
ほんの数分だけどたまたま会ってしまったことで頭がそっちに持っていかれそうだった。
だから、必死に廉とながつの会話を耳にして相槌を打って笑った。
楽しまなきゃ、勿体ない。一旦彼のことは忘れて、私は思いっきり笑った。
夜のパレードを見てから私たちは帰ることに決めて、疲れて3人ともぼーっとしながら帰りの電車で微睡んで。
乗り換えで彼らと別れて一人になった電車の中、廉とながつと笑いあって楽しすぎた所為で「祭りの後の静けさ」みたいな寂しい気持ちになって、彼らにお礼のラインをしてそっと窓の外を眺めた。
楽しかったなあ・・・。
トボトボと家まで帰りながら、もうハタチかってため息を吐く。
10代だったらなぁ。
まだ高校生だったらなぁ、なんて・・・そんなことを考える。
「バカみたい(笑)」
こんなこと今まで考えたこともなかったのに。
自分が変わってしまった理由はなんとなく分かってるからこそ滑稽で。
首を振って自嘲した。
私の家の近くにはコンビニがあって、そのコンビニの隣の道路を真っ直ぐ進んで右に曲がればそこはうちで。
コンビニの明るい明かりを見つめて少しだけセンチメンタルな気持ちになったりした。
変な気持ちになる誕生日だなぁ。
コンビニ寄って帰ろうかな・・・と考えてやっぱいいやと道路を真っ直ぐ進もうとした時「あの！Aちゃん！」という声が聴こえてドキッとした。
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ゆっきん☆(プロフ) - お話、ワクワク、ドキドキしながら、読ませてもらっています。続きが気になって途中で中断しなくちゃいけないときは早く続きが読みたくてソワソワしちゃいます。めちゃんこ、面白いです！！ (2021年10月10日 20時) (
レス) @page49 id: 6a5a4dc15b (このIDを非表示/違反報告)
しず(プロフ) - あらんですよね、？笑 (2019年5月24日 17時) (レス) id: 56d3701af2 (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 大好きすぎます！らぶはうすからずっと愛美さんの物語を読ませて頂いていますが、カラクリが見えていく感じも、心情が繊細に描かれている感じもすんごく好きです！楽しみにしています！！ (2018年11月18日 0時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき音 - 面白くて一気読みしてしまいました〜！作ちゃん沼に落ちてしまったお姉さん（笑）なので自分と重ねて見てしまいます…更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年11月16日 18時) (レス) id: 2587946e14 (このIDを非表示/違反報告)
chii(プロフ) - 更新停止されちゃったのかと思って、1ヶ月前から毎日チェックしてました！！おひさしぶりです、！はやく続きよみたくてうずうずしてます〜 (2018年10月30日 20時) (レス) id: 130f1a370d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛美
| 作成日時：2018年8月17日 0時
