・オトウト以上、コイビト未満。【Ryuto.S】

■ ページ23

凪の近くにコインパーキングがあってそこに駐車して、一緒に凪に入ると「あれ？」って顔をする北斗さんのそばに作ちゃんはそそくさと寄って行った。




北「あれ、お前今日・・・」

作「北斗くん、北斗くん、あっちあっちっ！」

北「確か今日、」

作「やあ、だあ、ああっ、あっちあっち！」




慌てた感じで、北斗さんを裏に押し込む作ちゃんを見つめて首を傾げると後ろから頭をわしゃわしゃと掻き回された。



「あ、ちょっ、深澤さんでしょっっ！」

深「正解〜！」

「正解〜！じゃないですよっ」




もう、なにするんですかー！と声をあげると「シーッ！」と笑ってソファー席に押し付けられた。




深「今日はなにしに来た？(笑)」

「なに、って・・・」



弟の友達送ってたら、作ちゃんがバイトあるの忘れてたから送っただけ・・・っていうのはなんだか気が引けて「なんとなく、です」って口にすると彼は「そお？」と笑ってオーダーを取って行ってしまった。





本も持ってきてないし、適当に選んだ本を適当にペラペラ捲ってたら作ちゃんがオーダーしたものを持ってきながら「北斗くん、俺に今日シフトあったの忘れてたんですっ」って口を尖らせて報告してくるからその姿が微笑ましくて「ああ、そうなの？(笑)」って目を細める。



作「そうなんですよ。」

「あは、そっか(笑)北斗さん、記憶力はいいと思ってたんだけどね」

作「！？・・・今日は忘れてた！」

「ふふ、そっか(笑)」



チラッと北斗さんを見たら意味深な顔をして首を傾げてた。

作ちゃんはオーダーした飲み物を置くと逃げるように裏に戻って行った。





紅茶を飲みながら窓の外を眺めてると、雨粒が止めどなく落ちていて。

レインドロップの音に耳を傾けてぼやーっとしてたら眠気に襲われた。

・・・寝ちゃいそうだ。

・・・瞼が重い。








・




・



・






深「なっちゃーん」

「・・・っ！へ！？」




目を開けたら目の前に深澤さんの顔があって。
「もう8時になりますけど？」と顔を覗かれたので飛び起きたら、視線の先に作ちゃんがいて。
彼は私を見つめるとふわっと笑った。






「・・・っ、」






うわ、超恥ずかしい・・・。

8時ということはざっと1時間は寝てたわけで、「か、帰りますっ」て私は慌てて席を立ちあがった。

■→←■

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す