Free.16 ページ19
A Side
フリーでもバッタでも好成績を残し、俺は今日和たちとファミレスでご飯を食べている。
郁「それにしてもA、フリーの100すごかったね。」
もぐもぐ…ごくん、
「うん、ありがとう。思ったよりも上に行けてよかったよ。」
日「バッタも200もいい成績だったよね。大会新も出てたし。これは大学に行ってからが楽しみだ」
「凛が…さ、いたんだ。まさか一緒に泳ぐことになるなんて思わなかったけど、オーストラリアに行ってても僕には勝てないんだなって。」
郁「Aは本当に速いからね。世界も夢じゃないと思うよ」
「…郁弥は、世界を目指してるの?」
郁「少なくとも僕はね。僕一人の力で強くなって、世界へ行くんだ。」
日「郁弥ならきっとできるよ」
「そっか…応援してる!」
郁「…うん、ありがとう。」
.
.
「じゃあ、僕こっちだから」
日「うん、またね、A」
郁「ばいばい」
郁弥たちに大きく手を振りながら別れる。
郁弥も、凛も、世界をめざしてる。
じゃあ僕は?高校で速くなってそれで。その先には何がある?ただ漠然と、大学でも水泳をやるとしか考えたことがなかった。
世界なんて、夢のまた夢だと思ってた。
でも、みんなが言うんだ。僕は世界がめざせる。世界にいける。
あの舞台に立ってみたいと思ったことがないわけではない。でも。もう__も__もいないんだ。僕を傍で支えてくれる人は誰もいない。一人でそんなところまで行けるほど、僕は強くない。
答えにたどり着かないまま、僕はベッドに入った。
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さく(プロフ) - はるかぜ。さん» ありがとうございます! (2022年1月27日 23時) (レス) id: 3f7d8ab273 (このIDを非表示/違反報告)
はるかぜ。(プロフ) - 読みやすくて、どんどん読めました。更新されていて嬉しいです!続きも楽しみにしてます! (2022年1月27日 21時) (レス) @page10 id: 164040e2af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さく | 作成日時:2022年1月26日 22時