54話（無惨討伐後） ページ6
無惨を倒し、その後の入院中の話ー
わたしが目を覚ますと、そこは蝶屋敷だった。
あれ？さっきまで炭治郎くんの復活を喜んでいたはず…。
あの後運ばれて寝ていたのか。
義勇さんがいない。
いつもなら怪我した時は大抵来てくれる。
義勇さんは大丈夫なのか。
嫌な考えが頭を巡る。
きっとここで入院しているはず。
義勇さんのとこに行こう。
急に動いたからか、上手く足に力が入らない。
まだ怪我も治ってないのか。
でも、義勇さんが無事なのか確認しないと…。
どうにかして壁をつたって歩く。身体中が痛い。
「うぉ！？」
何かにぶつかってしまった。
目の前には猪の頭。
「大丈夫か？お前？」
『ごめ…。』
上手く喋れない。息切れが激しい。
「お前、あれか！血鬼術使ってたやつか！もう動いていいのか？怒られるぞ？」
『義勇さんの、とこに。』
「半々羽織のとこに行きたいのか？しょーがねーな！連れてってやるよ！…こっちだ！！」
そう言って勢いよくわたしを引っ張って走る。
流石に死にそう…。
「ここだ！！」
『あ、ありがとう…。』
よかったついた。この人もまだ怪我が治ってないのに、元気だなぁ。
部屋に入ると、義勇さんが眠っていた。
よかった。いた。
近寄ると呼吸が聞こえる。生きてる。
頬を撫でる。
随分怪我を負ってしまったようだな。
腕を片方失ってしまっている。
痣が出たということは、25歳までしか生きられない。
もう、少ししかない。
でも、生きててよかった。
「あ！こんなところに！もう部屋に戻ってください！」
「くそ見つかっちまった！」
神崎さんだ。
「ってAさん！？なんでここに！起きたんですか！？まだ動いちゃダメですよ！」
『ごめんなさい。義勇さんが心配で…。』
「もう…。義勇さんは大丈夫です。体力が回復したら、すぐ目覚めますよ。とにかく今は部屋に戻ってください！」
そうしてわたしは部屋に戻された。
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作者名：咲 | 作成日時：2022年3月13日 15時
