【鬼滅の刃】鬼と人間の子【冨岡義勇】番外編 (ページ37)

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85話ページ37

『愈史郎くん愈史郎くん、わたしって何歳まで生きると思います？』

「さぁな。」

『永遠の半分ってどのくらいなんでしょうね。』

「まぁ長いだろ。」

愈史郎くんが適当に答える。その目は絵にしか向いていない。

「なんだ？水柱の生まれ変わりに会えたからもう死にたくなったとでも言うのか？」

『いえ、愈史郎くんの結婚式を見るまでは死なない予定です。』

愈史郎くんはちょっと驚いたようにこっちを見る。
そして笑いながら

「そうかよ。お前が今まで見たどの式よりも素敵なもの見せてやるよ。」

と言った。楽しそう。

窓の外には満開の桜が咲いている。

自分で命を繋ぐことが出来なくても、あなたが繋ぐ命を見届けよう。

いつか終わる長い人生の中にあなたが居たことを幸せに思おう。

どんな苦しみも悔しみも恨みも幸せも楽しみも、全て含めて良い人生だったと、胸を張って言えるだろう。

鬼と人間の子、父と母の子であることをなにより嬉しいと言おう。

そしてあなたの優しさに触れれたことを死んでも忘れないだろう。