84話 ページ36
それからは、わたしはいつかまた会える日を待ちながら、今まで通りに過ごした。
炭治郎くんたちの元へ遊びに行ったり、花を見に行ったり、色々なものを食べたり…。
結婚式を見た時はすごい感動した。幸せが溢れていた。
でも、時が過ぎればみんな寿命が来る。
沢山の別れがあった。
大切な友達を失った。大切な相棒を失った。
その度に悲しみ、そして立ち直る。また会える日を夢見て、
輝利哉くんは長生きしている。
今も愈史郎くんと共に仲良くさせてもらっている。
愈史郎くんとは今一緒に生活させてもらっている。やっぱり昼間に出歩けないことは不便らしい。わたしも歳を取らない事がばれると大変なので、迂闊に働けない。お互い出来ないことを補いながら生活している。
「おい!絵の具買ってこい。この色とこの色だ。間違えるなよ!!珠世様の顔になるんだ、違うものを買ってきたら殺すからな!」
「お前、料理のレパートリーが少ない。なんで週に3回は鮭大根なんだ。」
義勇さんより注文が多くて大変だ。
『義勇さんは毎日鮭大根でもいいって言ってた。』
「俺は愈史郎だ!毎日鮭大根は嫌だね!!」
これもこれで楽しい。
『茶々丸さん、ご飯です。』
愈史郎くんの猫だ。この子には最終決戦で助けられた。
義勇さんの折れた刀を手入れする。
その刀身の深い青はまだ美しく色づいている。暗くも鮮やかなこの色は、彼の目にそっくりだ。
何年も、何十年も、わたしは君を待つだろう。
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作者名:咲 | 作成日時:2022年3月13日 15時