78話(鬼殺隊時代) ページ30
今日は太陽を克服した禰󠄀豆子さんに会いにきた。
「この後恋柱様がお訪ねになる予定です。それまで面倒を見てもらっていてもよろしいでしょうか?」
神崎さんがわたしに聞く。
『大丈夫ですよ。』
「ありがとうございます。では失礼します。」
面倒を見るといってもなにをしたら良いのだろう。
禰󠄀豆子さんはこちらを見つめ動かない。
わたしも禰󠄀豆子さんを見つめ固まっている。
『こ、こんにちは。Aです。覚えていますでしょうか?』
精一杯笑顔をつくってみる。
「おかえり!伊之助!」
あぁ、全然違うぅ…。やっぱり覚えていないか。
禰󠄀豆子さんはニコニコしながらこちらにやってきて、わたしの膝に座る。
急に距離を縮められてびっくりするが、仲良くなれたようで嬉しかった。
禰󠄀豆子さんの髪の毛を触る。ふわふわしててさらさらだ。
そういえばこの後恋柱さんが来るって言っていたな。
三つ編みにしてみよう。
そう思って禰󠄀豆子さんの髪をいじっていく。禰󠄀豆子さんはなんだか心地良さそうにしている。髪をいじられるのは嫌いじゃないのだろう。
二つの三つ編みを編んだ。すごく可愛い。
『完成ですよ。』
禰󠄀豆子さんは喜んでいる様子だ。
「わぁ〜!禰󠄀豆子ちゃん三つ編みしてる!とっても可愛いわ!」
その時後ろから明るい声がした。恋柱さんが来たようだ。
「Aちゃん!こんにちわ〜。」
『こんにちは。』
「三つ編みとっても可愛いわ〜!素敵!!」
『お揃い〜…なんちゃって、』
わたしがはにかむ。
それを見た恋柱さんが嬉しそうにわたしたちを抱きしめてきた。
「きゃー!2人とも可愛い!!」
「そうだ!せっかくだし、Aちゃんもしましょうよ!」
そう言ってわたしの髪を編んでいく。わたしは一本だけにするらしい。
「完成!!可愛いわぁ〜!」
『ありがとうございます。』
髪型が違うだけで新鮮な気持ちになるなぁ。
「おいA、一緒に帰…」
義勇さんだ。どうしてここに?
「あら!冨岡さん!冨岡さんも禰󠄀豆子ちゃんと遊びに来たの?」
「いや、違う。」
義勇さんがこっちを見てくる。
「どう?みんなでお揃いなの〜!」
「あぁ、そうか。」
(三つ編み…蔦子姉さんを思い出すな。)
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作者名:咲 | 作成日時:2022年3月13日 15時