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76話(無惨討伐後) ページ28

「A A、宇髄のところの赤ちゃんを見に行こう…!」

義勇さんがわくわくした様子で言ってくる。

『産まれたんですね。おめでとうございます。』

「あぁ…!会いに来て欲しいと言っていた。」

いつになくニコニコしている。嬉しいのだろうな。

「お祝いの品はなにが良いのだろうか。」

『無難なのはお洋服とかでしょうか?』

「いいな。早速買いに行こう。」



可愛い赤ちゃん用の着物を買い、宇髄さんの家へ訪ねた。

「うずーい!」

扉をバシバシ叩きながら義勇さんが言う。
そんなたくさん叩かなくても…

「うるせぇえー!!何回も叩かなくても聞こえるわ!!」

凄い勢いで宇髄さんが扉を開ける。

「あぁ、すまない。」

「ったくよ、まぁ入れよ。」

宇髄さんはお父さんになってもあまり変わらないな。

「邪魔する。」『お邪魔します。』

「いらっしゃーい!」

まきをさんが元気よく挨拶してくれる。

「ほらっ赤ちゃんだぞ〜。」

宇髄さんが赤ちゃんを抱いてこちらに来る。

「おぉ…!」

義勇さんがキラキラした目で赤ちゃんを見ている。

「すごい小さいな。」

「まぁな。」

宇髄さんはとても愛おしそうに赤ちゃんを見つめる。元気に生まれてきてくれてよかったな。

「俺たちに子供が出来るなんて、思いもしなかった。宇髄、ありがとうな。」

「なんのお礼だよ。…まぁそうだな、鬼狩りをしながら子供を作るのは難しいからな。」

「命を繋げてくれてありがとう。」

「お礼を言うのはこっちだ。代わりに戦ってくれて、ありがとな。お前らが頑張ってくれたから、この子が安心して生まれる事ができた。」

少ししみじみした雰囲気になる。

「出会った時のAよりも小さいな。」

『あの時すでに14歳でしたからね。』

「お前…14の子と比べんなよ…。」

意外と出会ってから少しの時間しか経ってなかったのか。

「お前らもでっかくなったな〜。」

宇髄さんが義勇さんとわたしの頭をガシガシする。

「俺はもう成長する歳ではないのだが…。」

「いや、色々成長したよ。最初の頃とは比べられないぐらいになっ。」

笑いながら宇髄さんが義勇さんの髪をワサワサする。
赤ちゃんも宇髄さんの笑い声に釣られてか、笑っていた。

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作者名: | 作成日時:2022年3月13日 15時

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