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75話(無惨討伐後) ページ27

続きー


『これ、わたしたちからです。』

「日頃のお礼だ。いつも手紙ありがとう。」

そう言って手土産を渡す。

「おぉー!!なんだ食いもんか?」

『おまんじゅうと金平糖です。』

「おー!早く食わせろ!!」

伊之助くんは机をバンバン叩いて喜んでくれる。


「あ!義勇さんとAさん!来てくれたんですね!」

炭治郎くんだ。
みんな相変わらず元気そうでよかった。



それから少しして、わたしは今炭治郎くんと話をしている。
義勇さんはなにやら禰󠄀豆子ちゃんに沢山贈り物を送った件で善逸くんに問い詰められている。


『お体の方は大丈夫ですか?』

「はい!元気です!」

炭治郎くんが眩しい笑顔をこちらに向ける。炭治郎くんの額の痣に目がいく。

『それは良かったです。』

何かを察してしまったのだろう。炭治郎くんが真面目な顔になる。

「…俺たちは25歳には寿命がきてしまいます。」

この俺たちというのは、痣が出た者。義勇さんや不死川さんのことを言っているのだろう。
気にしないようにしてきた事を刺され、少し動揺する。

「急にこんなこと言ってごめんなさい。でも、いつかは別れが来ます。その前に話しておかないとと思いまして、」

気を遣わせてしまったようだ。

「俺の方が年下なので、寿命も長いでしょう。もし、1人が寂しくなったら、いつでもきてください。俺たちはAさんを歓迎しますよ。」

1人になってしまう時が来る。義勇さんはわたしたちより年上だ。痣の影響が出たら、生きられるのはあと2.3年だろう。頭では理解しているし、色々考えた。でもどうにも実感がわかない。

『ありがとうございます。でも今は残された時間を少しでも楽しく過ごしたいんです。だから、今はまだ、現実から逃げていたいなって…』

情けないことを言っているな、と自分でも思う。炭治郎くんはしっかり考えているのに、自分は弱いことばかりを吐いてしまう。


その時後ろから頭に手を置かれる。

義勇さんだ。

「大丈夫だ。1年というものは案外長いものだ。それがまだ数回残っている。俺はまだ死なない。やりたいこと沢山あるもんな。」

そう笑いかけてくれる。

「そうですね。少し安心しました!」

「あぁ、炭治郎、心遣い感謝する。」


今は沢山やりたい事がある。別れを考えるのはまだ早い。まだ、早いのだ。

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作者名: | 作成日時:2022年3月13日 15時

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