49話(鬼殺隊時代) ページ1
今日は珍しく、義勇さんはお休みだ。
そしてわたしもだ。
「たまには出掛けてみないか?」
どこに行くんだろう。任務以外に外に出ることはないので、ちょっと楽しみだ。
義勇さんの後ろをついていく。
お団子屋さんが見える。食べてみたいなぁ。
「食べるか?」
気づいていたのか。意外と鋭いのだな。
外の椅子に座ってお団子を食べる。
わたしはあんこ、義勇さんはみたらし団子を食べている。
あ、義勇さん口にすごいタレがついてる…!
一口が小さいんだよなぁ。
『すごいついてますよ。』
そう言って、義勇さんの口を布で拭う。
「おぉ、ありがとう。」
その様子を見ていた通りすがりのおばあちゃんに声をかけられる。
「あらぁ〜仲の良いご兄弟ね!」
そして、義勇さんに向かって
「あんまりお姉ちゃんに迷惑かけちゃダメよ。」
「あぁ、わかった。」
「えらいねぇ〜、飴ちゃんあげちゃう!」
「おぉ…!ありがとう。」
え?なんで普通に会話してるの?わたし姉なの?
義勇さん、あなた立ち位置的には保護者だよね?
「お姉ちゃんもしっかりしててえらいねぇ〜、どうぞ〜」
『あっありがとうございます。』
知らない人なのになんでこんな優しくしてくれるんだろう。こんな人も世の中にいるのか。
手の中の飴がなによりも綺麗に見えた。
「じゃあね〜」
2人でお辞儀をする。
『わたし、老けて見えますか?』
「そんなことないぞ。」
「俺には姉がいたから違和感がなかったが、確かにどちからというと妹だな。」
少し懐かしそうな、悲しそうな顔をして言った。
過去形か…。
『いえ、姉でいいですよ。』
「そう、か。」
お姉ちゃんも悪くないな…。
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作者名:咲 | 作成日時:2022年3月13日 15時