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48話 ページ49
そして、何年、何十年もの月日が流れた。
わたしは20歳くらいで体の成長が止まった。
『愈史郎くん、そろそろ休憩しません？』
「もうちょっと…。」
わたしは今愈史郎くんのお世話になっている。
愈史郎くんは画家になった。
わたしは身の回りの世話と、血をあげることの代わりに住まわせてもらっている。
『わたし、少し出掛けてきますね。』
「ちゃんと傘差してけよ。」
『はい。』
もうみんな亡くなってしまった。寿命だから当然と言えば当然なのだが。
わたしは公園に行き、空を眺める。
正直ぼーっとすること以外やることがない。
小学生が遊んでいる。
あ、転びそうだ。
わたしは急いでその子の元に駆け寄り、受け止める。
「あ、ありがとう、ございます。」
毛先の跳ねた黒髪に、深い青色の目。
一目で分かった。
「大丈夫かー？」「大丈夫？」
宍色の髪の男の子と、黒髪の女の子が近寄ってくる。
友達かな。
わたしは男の子の頭を撫でて、
『気をつけるんだよ？』
と言った。
「お姉さん、なんで泣いてるの？」
『なんでもないよ。』
心配そうな顔をしてくれる。
その子に笑って返す。
『ありがとう！』
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作者名：咲 | 作成日時：2022年3月6日 21時
