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43話 ページ44

猫が来た。何かを打たれた。

前を向くと、みんな回復している。

この子のおかげか?


栗花落さんと善逸くん、嘴平さんも来ている。

戦況が良くなった。

刀同士を合わせ、刀身を赤くしている。

その刀は鬼に有効なようだ。


これなら行けるかもしれない。わたしも早く動かないと。





大きな音と揺れがした。

なにが起きた。一瞬でみんなやられた。

栗花落さんが危ない。

炭治郎くんだ!よかった無事だった。


でももう今動けるのは炭治郎くんのみ、今ここでわたしが動くしかない。

動け、はやくはやくはやく



その瞬間目の前が真っ暗になった。

暗闇の中にはお父さんがいた。

お父さんはわたしの頭に手を置き、少し悲しそうな顔をしながら、

「頑張れ、気をつけてな。」

と笑った。

目の前が戻った。
その瞬間わたしの体が動いた。

『血鬼術・白詰草 攻』

ツタで無惨の体を止める。すぐに壊されるが、何度でもやってやる。

炭治郎くんを繋ぐんだ。

この血鬼術中はたぶん体の回復はしない。攻撃に特化してる。

父がわたしの思いに答えてくれたのだろう。

父の血の巡りがわかる。


止める、避けるを繰り返す。

貧血でうまく前が見えない。

確実に無惨は弱ってきているはず。


もう力が入らない。限界はとっくに超えていた。それは炭治郎くんだって同じだ。


避けきれない。無惨の攻撃をもろに喰らい、わたしは吹き飛ばされる。

炭治郎くんに、攻撃が当たる…!

意識が飛ぶ寸前で、白い蛇のようなものが見えた。

よかった、柱が戻って来た。

わたしの役目はもう終わった。

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作者名: | 作成日時:2022年3月6日 21時

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