40話 ページ41
なんだ、琵琶の音…？どこから…。
場所が変わった。
目の前には鬼舞辻無残がいた。
炭治郎くんの殺意がこちらにも伝わってくる。
「炭治郎、落ち着け。」
義勇さんが炭治郎くんをおさめている。
無惨と炭治郎くんが会話を交わす。
ぴりぴりとした緊張を感じる。
正直内容は入ってこない。
「そこの女、お前鬼か？」
わたしに話しかけているのか？
「いや、人間か？妙なやつだな。お前も復讐だとかでわたしを殺しに来たのか？」
『わたしは、これから平和に生きるために…。』
「お前は両親のどちからが鬼なのだろう？大抵の人間は病気か怪我で死ぬ直前、鬼になる。お前が今生きているのはわたしのおかげではないのか？」
「それなのに人間として生きたいのか。」
『わたしは、人間としていきたい。美味しいご飯を食べたり、温かい布団で寝たりしたい。花を見て、青空を見て、綺麗だと思いたい。そしてそれを大切な人と一緒にできたらと思う。』
「でも人間なんて、すぐ死ぬぞ。そのお前の大切な人もな。」
無惨が義勇さんたちを見て言う。
『死があるから、それまでの人生を幸せに生きようと思う。死があるから目標が生まれるの。あなたは、永遠を手に入れて、なにがしたいの？』
「馬鹿馬鹿しい。」
無惨の攻撃が始まる。
腕が伸びて、こちらに切りかかってくる。
速い、避け切れない…！
炭治郎くんが間合いを詰めて、攻撃しようとする。
が、その瞬間、炭治郎くんの目が切られた。
義勇さんが炭治郎くんを運んでくれる。
「時間稼ぎ…柱3人でそれは可能なのか？」
と、無惨が言う。
3人？
「縞の羽織の柱と女の柱はすでに、わたしの部下が殺したようだぞ？」
動揺してはだめだ。
無惨の攻撃は止まない。
炭治郎くんが…！
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作者名：咲 | 作成日時：2022年3月6日 21時
