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29話 ページ30

頭が痛い。腕も痛い。流石に完治はできなかったようだ。

「おい!鬼が出たって…!!」

あぁ、やっぱりこの村…。

「あぁぁあ!お前!お前か!戻ってきやがってぇえ!この鬼があぁ!」

わたしの方を指差して、やって来た村の人が言う。

「鬼狩りさん!!助けてください!あの鬼はきっとわたしたちを殺しに来たんだ!あの女が鬼なんかと子作りなんてするから…!」

村の人が善逸くんに縋り付く。

この村の人たちは、いつまで経っても…。
久しく忘れていた、そうだ、人間はこんなものだったのだ。

「出て行けぇええ!!お前は人間じゃないんだ!のこのこと人として生きやがって…!」


憎いはず、殺したいと感じる。
なのになのになんで、なんでこんに体がこわばる。なんでこんな恐怖を感じている。



頭が痛い、怖い。誰が…。

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作者名: | 作成日時:2022年3月6日 21時

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