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22話 ページ23

今日からわたしも機能回復訓練というものに参加する。


「Aさんは今日が初めての参加ですよね。ご説明致します。」

神崎さんが丁寧に説明してくれる。

まずは柔軟、そして薬湯の掛け合いをするらしい。



「よ、よろしくお願いします。」

この小さい可愛い子がやってくれるそうだ。
どうしよう。間違って潰しちゃったりしないかな…
こんな小さい子とまともに話したことがない。


(なんでこの人、頬を膨らませて口をつぐんでるんだろう…。どういう表情なのかな…?)


「初めてもよろしいでしょうか…?」

わたしは頷く。どうしよう。どうしよう。柔軟なのに体がどんどん固くなっていってる気がする。
わたしは今、緊張している…!!!


(なんでこの人、ずっと変顔してるんだろう…。)




なにかあの子に変な目で見られたままだが、なんとか無事柔軟を終えることができた。




次は薬湯かけ合い鬼ごっこ


栗花落カナヲという女の子が相手をしてくれるそうだ。

微笑みの表情を崩さない、可愛らしい子だ。


始まりの合図とともに両者動き出す。


栗花落さんが湯飲みに手をかける。

早いが、追いつける。

わたしはその湯飲みを抑え、別の湯飲みに手をかける。

栗花落さんが手をかける間一髪のところで、持ち上げる。


よし、と思ったのも束の間、



これ、かけちゃっていいのかな。
善逸くんたちを見るにかけてもいいのだと思うけど、
綺麗にお化粧してるし、髪の毛も手入れが行き届いている。かけるのは申し訳ない。
でもかけないと終わらないし…


(なんでこの人固まってるんだ?)

横で見ていたアオイはこう思った。そして少し考えた後、

「Aさんの、勝ち…?」


神崎さんの言葉を聞いて、ほっとする。
よかった、乗り越えた。


思えば同じくらいの女の子とこんなふうに触れ合うのは初めてだな。
友達とは、こういう感じに遊ぶのだろうか。

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作者名: | 作成日時:2022年3月6日 21時

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