11話 ページ12
「雷の呼吸、壱ノ型 」
どうしたんだ、あの子。急に雰囲気が変わった。
鬼が男の子に向かって毒を吐く。
男の子は空中で体を捻って避けた。
さっきまでとは別人のようだ。
「雷の呼吸、壱の型」
大量小さな蜘蛛が男の子の体を埋め尽くす。
流石に助けなきゃ。そう思うころにはもう蜘蛛は飛ばされていた。
空気が揺れている。すごい圧を感じる。
「雷の呼吸、壱の型 霹靂一閃 六連」
すごい速さで男の子が移動している。そしてあっという間に鬼の首を切ってしまった。
男の子が落ちてくる。ぼーっとしている場合ではない。受け止めなきゃ。
急いで男の子の下に行き、受け止める。
よかった、受け止めきれた。
息はしている。
男の子をそっと下ろす。
『大丈夫ですか?』
返事はない。必死に呼吸をしている。
呼吸で毒のまわりを遅らせているのだろう。わたしは毒について詳しくない。なにもできなさそうだ。
とりあえず、医者の元へ連れて行こうか。お医者さんってどこにいるんだろう。
その時、上から蝶のように女の人がふってきた。
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作者名:咲 | 作成日時:2022年3月6日 21時