10話 ページ11
山に着いた。鬼はどこだ。
どうやら何人もやられてるらしい。
ひとまず鬼のいそうなところを散策してみる。
見つけた。1人。顔は人間のようだが、身体が蜘蛛だ。不思議だなと思いつつ、そっと近づいてみる。
近くに男の子もいる。金髪の男の子。何か騒いでいる。
戦っているのか?よく見ると、男の子の手が変色している。鬼に何かされたのか?
ひとまず、ここでじっとしていても仕方がない。
そう思い、わたしは鬼のもとに走り出した。
鬼もこちらに気づいたようだ。
なにか紫色の液体をこちらに吹きかけてくる。
わたしはそれをかわし、息を吸い込む。
『水の呼吸、伍の型 干天の慈雨』
わたしは鬼に斬りかかる。しかし、間一髪のところを避けられた。
焦る必要はない、もう一度。
技を出そうとした時、小さな蜘蛛が男の子に襲いかかっているのが見えた。
男の子が叫んでいる。怖がって動けなくなっている。
助けなければならない。
この子に助ける価値があるかわからないが、鬼殺隊である以上は助ける必要がある。
男の子のもとへ急ぐ。
男の子を引っ張って攻撃を避けさせる。
最悪わたしに攻撃が当たっても、わたしは動ける。鬼の子だから。
今がチャンスとでもいうような顔で、鬼がわたしに向かって液体を吹く。
鬼の液体がわたしに当たる。その瞬間、鬼は勝ち誇ったように笑い出した。
なんだ、なんで笑っているんだ。
男の子は気絶している。
「お前の体に毒を入れた。お前は四半刻後には人面蜘蛛になるぞ!!」
毒?蜘蛛?蜘蛛になるのか?とりあえず大変なことそうだ。
でも、そんなもの関係ない。鬼を倒すことがわたしの仕事だ。
そう思い、技を出そうとする。その時、男の子が急に動き出した。
「雷の呼吸、壱ノ型」
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作者名:咲 | 作成日時:2022年3月6日 21時