優しい言葉。 ページ21
「Aちゃん、そこ座って。」
なーくんがいつもより低い声で椅子を指さして言う。
返事をすることも、顔を上げることも出来ずに、大人しく座った。
「その手の傷、いつの？あんまり古いようには見えないし、……自分で、やったんだよね…？」
さとみくんは、遠慮がちに声をかけてくれる。
声が上手く出せなくて、コクリとうなずいた。
「なんで、そんなことしたの？俺らがなんかしちゃった？」
ブンブンと首をふる。多分、さとみくんは私がYESかNOで答えられるように質問してくれてる。
いつの間に持ってきたのか、ジェル君が救急箱を手に持って私の隣に座った。
「手、出して？
痛かったら言ってな？」
そう言って、ジェル君は慣れた手つきで消毒をして包帯をまいてくれた。
手当が終わった手をそっと、机の下で握ってくれる。それだけで、すごく安心した。
「俺ら怒ってるわけじゃないよ？だから、怯えないで欲しい。
でも、なんて言うか、Aちゃんには辛い思いして欲しくないって言うか、さ。」
優しい、さとみくんの言葉に涙が出そうになる。
チラリと視線をあげると、切なそうな、苦しそうなさとみくんの顔が見えた。
こんな顔させているのは、私。皆が楽しく過ごす休日をぶち壊しにしたのも、私。
「俺はね、」
なーくんが、ポツリと話す。
「Aちゃんが、すっごく大切だよ。
嬉しいことがあったら一緒に喜びたいし、Aちゃんが辛い思いしたら共有したいし、解決したい。
そうやって、一緒に過ごしていきたいなぁって、少なくとも俺は思っとるよ？」
それでも話したくない？なんて、こてんと首をかしげて言ってくる。
それに続くように、ジェル君とさとみくんも暖かい言葉をかけてくれた。
「俺も、Aちゃんにだったら頼られたいなぁ？今まで言えなかった分、俺らにはいっぱいワガママ言ってええんやで？」
「俺、Aちゃんは我慢し過ぎだと思うな。もっと思ったこととか正直に言ってよ。
もう、一人で悩まなくていいんだから。」
そんな言葉をかけられたのは生まれて初めて。
「っ、………ぅっ、…ごめっ」
「ごめん」って伝えたいのに言葉が出なくてポロポロと涙を零した。
「ごめんじゃなくてありがとうやろ？」
ジェル君がにこりと笑う。
「ぁ、ありがとっ、う！」
嗚咽混じりに、涙でぐちゃぐちゃになったままの顔で、精一杯笑って言葉にした。
皆も満足気に笑う。
その顔を見て、皆といれば怖いことなんてひとつもないんだろうって、思えた。
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(･ω･三･ω･)ﾌﾝﾌﾝ(プロフ) - あれ？終わっちゃった？ (2020年2月29日 19時) (
レス) id: 1eed865d70 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - これって完結しちゃったんですか？ (2019年4月17日 18時) (レス) id: 68d4b88e6d (このIDを非表示/違反報告)
ちゃにぽん(プロフ) - あろんさん» 了解です！リクエストありがとうございます！ (2019年3月12日 20時) (レス) id: ea06f6d734 (このIDを非表示/違反報告)
あろん - 面白いです!リク良いですか?ころんくんが、主にお酒飲ませて、2人でイチャイチャしてほしいです!! (2019年2月25日 11時) (レス) id: a27ddc237a (このIDを非表示/違反報告)
ちゃにぽん(プロフ) - いちさん» リクエストありがとうございます！書かせていただきます！ (2019年1月29日 20時) (レス) id: ea06f6d734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃにぽん | 作成日時：2018年10月30日 16時
