【あんスタ】幼馴染はいつも噂をされている part2

Remember ページ14

「A…何故ここに？」


タイミングよく現れた千秋は、何故か息が切れていた。


そして、なんだか申し訳なさそうな表情をしている。


はあ…まあ、そうさせたのは私なんだけどね。


「帰り道だから。変な人に絡まれたけど」


「瀬名だろう？上の階にいた時偶然見えたから、心配になって急いで来たんだ。何もされなかったか？」


ああ、だから息切れてるんだ。


「…ん、大丈夫」


「そうか、よかった！」


今も、無理して笑ってる。わかるんだよ、幼馴染だから。


「千秋、一緒に帰ろ」


「えっ」


「…嫌ならついてくるだけでもいいよ。ただ、そうした場合、ストーカーですって通報するけど」


「それは駄目だ！！」


ふっふっふ。


いつもは振り回されてばかりだったけど、今度はこっちが主導権握ってやるから。


…ああ、懐かしい、この感じ。


でも、これもあとちょっとで…。


あ、駄目だ、泣くわこれ。


そう思った瞬間、もう涙は止まらなくて、たまらず空を見て歩いた。


綺麗だ。夕陽に染められた空のグラデーション。


泣いてるの気付いてるはずなのに千秋は何も言ってこない。


気、使ってくれてるのかな。


それとも、ただ単にどうしたらいいかわかんなくて何も言えない…とか。


千秋ならありえるか。


「…すこしだけ、俺の我が儘に付き合ってくれないか」


「…えー」


これが、相変わらず素直じゃない私の返事。


もう少しだけ、付き合ってよね。

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