検索窓
今日:28 hit、昨日:18 hit、合計:514,038 hit

31 ページ33

入口の部屋に入ると、レイチェルはまた立ち止まって何かを見ているようだった


「さっきから立ち止まりやがって、何なんだよ!」

ここに来るまで何度か立ち止まっているのを見て、ザックはイラついてレイチェルに食らいついた

「そんなに怒鳴らなくてもいいだろーーレイ、さっきから何を拾ってるんだ?」

「メモが落ちてるの……私を殺してくれるって」

どうやら、フロア主からのレイチェルへのメモのようだ

「……そうかよ」

「あんまり気にするなーーあの沈んでるのがスイッチだな」

ザックは素っ気なく、Aはレイチェルの頭を撫でると違う反応をするが、Aは水に沈んでいるものに目をやった

「うん…」

「あれに乗ればいいんだな?」

そう言ってAが率先して水に入ろうとすると、レイチェルがそれを止めた

「どうした?」

「…あの人に乗ってもらう」

「はあ?!俺がかよ」

「……嫌なら、いいけど」

「レイ、俺がいってもーー」

「Aはダメ」

「あ、はい」

入ろうとするAにレイチェルはキッパリ言われ、引き下がる

レイチェルはザックを目で訴えると、さすがの彼もその視線に耐えられなかった

「わぁーたよ。入りゃいいんだろ」

そうしてザック水の中に入ると、くるっとレイチェルの方を向いた

「そういや、そんなに死にてぇんなら何で自分から死なねぇんだ?」

「…駄目だから」

突拍子もないその質問にレイチェルは直ぐに答える

「何で駄目なんだよ」

「…神様が、そうおっしゃったから?」

「俺に聞くなよ」

レイチェルが疑問で返すものを、分からないという表情でザックは一蹴した

その時、またAの中で引っかかっていた


ーー神様…か

Aは記憶を取り戻したといえ、まだ完全には思い出していなかった

ーー守る、約束…

俺はナニヲ守ってたんだろうか

それにダレと約束したのか


自分が鬼の一族で、普通の人間とは違うこと
ここに来るまで殺人鬼だったこと

それは思い出せたのに…


「ーーじゃ、ほら笑ってみろ」

ふと、意識を戻すとザックがレイチェルに笑顔を要求していた
Aはどんな状況かと思ったが、レイチェルの顔を見る

確に笑顔だった

ただ目は死んだまま

「……どう?」

「目が死んでるーーしょうもない事に時間食っちまった」

「そう…残念ね」

「…何の話だよこれ」

思わず突っ込んでしまったAだった

その後は、レイチェルが奥のスイッチを押しにこの部屋を出て、ザックと二人になった

32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (306 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
479人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒リンゴ - お、面白いぃぃ! サクヤ様貴方は神ですかぁぁぁぁ((殴 煩いですね。 すみません!続き待ってます!! (2016年11月26日 15時) (レス) id: 7688b32a06 (このIDを非表示/違反報告)
フラン - 続きを・・続きを恵んでください (2015年11月26日 18時) (レス) id: b29f2ef4df (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 進化★さん» ありがとうございます(*^_^*)Ep.2の方も更新中なので、そちらもよろしくですm(__)m (2015年10月31日 17時) (レス) id: 6a94c13df9 (このIDを非表示/違反報告)
進化★ - マジでメチャクチャ萌えました(><)特に、ザックが抱きしめてくれる所とかは、鼻からケチャップが… (2015年10月31日 17時) (レス) id: a2fedb4541 (このIDを非表示/違反報告)
殺戮の天使最高 - うわぁあああ、メッチャクチャ萌えました( ´:ω:` )2話配信されて全部見て泣いてた気持ちが少し楽になりました(´;ω;`)素晴らしい作品過ぎて評価の☆無限大につけたいぐらいです… (2015年10月13日 1時) (レス) id: d1320c0929 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サクヤ | 作成日時:2015年9月9日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。