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ザックはレイチェルに鎌を目の前にいきなり向けた
その行動にAは止めようとしたが、今までにない緊迫感に足が動かなかった
動けないというか、動いてはいけない…そう感じた
「…どう思ったかって?」
そんな中レイチェルは口を開いた
少し考えるように目を伏せるとすぐにザックを見つめる
「…別に」
「これはアナタのことが書かれた紙
それ以上でもそれ以下でもない」
レイチェルは先ほど彼が言ったことをそのまま返す
「お前は怖くねぇのかよ、俺が」
「怖い?ーー怖くは、ないよ」
レイチェルがどうして?と言うようにザックを見つめると彼は鎌をしまい、彼女から身体を背ける
「ーー昔、お前みたいなことを言った女がいたよ」
ポツリと自分の過去を静かに語り出した
「最初はふつうにビビってたのに、新聞にのってる連続殺人の犯人が俺だって気がついてから、態度が変わりやがった」
「俺に“怖くない”“ファンだった”とかペラペラ喋ってきてよぉ」
「おもしれーから逃げる時間を5秒に増やしてやったんだ」
“まぁ、逃げられなかったけどな”とザックは笑う
「…それで?どうしたの」
Aは彼に聞く
その時、彼女は顔を険しくさせた
これから先の事がわかっている様子だった
「…殺してやろうとしたらすっげぇ暴れ出しやがって」
「あんまりにもバタバタしつこいから“怖くないなら暴れるな”って言ったんだ」
「ーーーそしたら」
ザックはにやりと笑う
「“お前に殺されたくないから言ったんだ!!”ーーだってよ」
「ーーっ!?」
「……俺は、嘘が嫌いなんだ」
ザックはレイチェルに近づき、また鎌を向けた
「だから、殺してやったよ」
そう言う彼に対し、レイチェルは、それで殺してくれるの?聞いていた
素っ頓狂な表情を浮かべた彼は思い出したように頭を抱えるのが見えた
だが、Aはそんな事は遠目で見ているだけで会話もほとんど聞いていなかった
ーーアイツ、もしかして
ーー昔から酷い目にあってきたの?
そう思って、彼女はレイチェルに近づき履歴書を要求した
「…もしかしたら、Aの記憶が戻るかもしれないよ」
履歴書を手に取ると、レイチェルがAを見上げて言った
どこか期待をしているような様子だった
「そんなに私のこと書いてあるの?」
「…とにかく読んでみて」
催促する彼女にわかったと言って、履歴書に目を落とす
彼のを見たあと自分のに捲る
その瞬間目を見開いた
「ーーえ…」
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黒リンゴ - お、面白いぃぃ! サクヤ様貴方は神ですかぁぁぁぁ((殴 煩いですね。 すみません!続き待ってます!! (2016年11月26日 15時) (レス) id: 7688b32a06 (このIDを非表示/違反報告)
フラン - 続きを・・続きを恵んでください (2015年11月26日 18時) (レス) id: b29f2ef4df (このIDを非表示/違反報告)
サクヤ(プロフ) - 進化★さん» ありがとうございます(*^_^*)Ep.2の方も更新中なので、そちらもよろしくですm(__)m (2015年10月31日 17時) (レス) id: 6a94c13df9 (このIDを非表示/違反報告)
進化★ - マジでメチャクチャ萌えました(><)特に、ザックが抱きしめてくれる所とかは、鼻からケチャップが… (2015年10月31日 17時) (レス) id: a2fedb4541 (このIDを非表示/違反報告)
殺戮の天使最高 - うわぁあああ、メッチャクチャ萌えました( ´:ω:` )2話配信されて全部見て泣いてた気持ちが少し楽になりました(´;ω;`)素晴らしい作品過ぎて評価の☆無限大につけたいぐらいです… (2015年10月13日 1時) (レス) id: d1320c0929 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクヤ | 作成日時:2015年9月9日 20時