6人の絆

#37 ページ37

「「「 かんぱーい 」」」




「また藤川先生いないの？？」


白石「仕方ないよ。夜勤だし…」






夜、めぐりあいで誘える人のみ誘って、

飲もうという話になった。





っていっても私、白石先生、緋山先生と藍沢先生。



結局いつものメンバーで集まっていた。







緋山「冴島は復活したし、やっといつもの救命に戻ったって感じだわ」


白石「そうね。」






「そいえば、暁人くん、亡くなったって聞いたけど…。」




暁人くんというのは



佐倉暁人くん。拡張型心筋症による心不全に心筋梗塞を合併していて、


ICUで過ごしていたけれど、容態が急変し、そのまま帰らぬ人となってしまった




緋山「そう。急変して、ね」


「……。」







世の中には生きたくても生きられない人がたくさんいる



でも私は今までに死にたいと思ったことが何度かあった。





私は、今まで話さなかった自分の過去をみんなに話すことを決めた





「……私は、みんなに話すって決めたから話すね。」





するとみんなの視線は一気に自分に集まった








“ 私は一人っ子で、その分、お母さんとお父さんにたくさんの愛をもらったの。


5歳の頃まではね。


ある日、お母さんはお出かけに行くと言って、家を出た。




お父さんは仕事でもう家にはいなかった。





そしていつも通り、夕方に家に帰ってくるけれど、いつもと様子がおかしかったの。



そしたらお父さんは口を開いて、
「お母さんが知らない男と歩いていた」って言ったの。


まだ私は幼稚園児だったから何も分からなくて、

ただの楽しいお出かけかと思っていて、羨ましがっていたら、お父さんに初めて怒られた。






その日からお父さんはお母さんが出かけるたびにストーカーのように追いかけていた。

そして証拠となる写真が撮れたと言って、帰ってきたお母さんに見せたらしく、



喧嘩が始まって、その喧嘩は数ヶ月続いたと思ったら、



お父さんは嫉妬からなのか暴力を振るうようになっていた。



毎日毎日暴力を振るわれて、

暴力も酷くなるばかりで



お母さんは隙を見せた時に私を置いて、家を出て行ってしまった。”





“ 私はお母さんと言える人がいなくなって、

その日はとことん泣きまくった。



そして暴力のターゲットはお母さんから私になって、

お母さんがされていた時と同じように毎日毎日暴力に振るわれていたの。”

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